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平成16年第 1回定例会−03月11日-03号
平成16年第 1回定例会−03月11日-03号

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  1. 熊本市議会 2004-03-11
    平成16年第 1回定例会−03月11日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成16年第 1回定例会−03月11日-03号平成16年第 1回定例会   平成16年3月11日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 平成16年3月11日(木曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時00分 開議 ○落水清弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。齊藤聰議員。          〔13番 齊藤聰議員 登壇 拍手〕 ◆齊藤聰 議員  皆さん、おはようございます。  自由民主党熊本市議団の齊藤聰でございます。久しぶりにここにおりますと、大変緊張いたしております。  私は、昨年4月の統一地方選挙において初当選をさせていただきました。私の好きな言葉に、何事にも一生懸命というのがございます。この言葉をモットーに、議員各位、そして市民の皆様からの温かい御指導、御鞭撻をいただきながら、市議会の一員としての職責を果たしてまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  さて、本議会は御案内のように、平成16年度の市政運営を決定づける重要な議会であります。その質問初日、私に1番目の機会をお与えいただきました先輩、同僚議員に対しまして、まずもって衷心より厚く御礼を申し上げるところでございます。  私ども自由民主党熊本市議団は、平成16年の年頭に当たり、たくましい熊本の実現を最重点の政策目標に据え、その実現のため、第1に魅力と活力あふれる産業、経済の振興、第2に九州新幹線の全線開業に向けたまちづくり、第3にアジア地域との交流を進め、国際化に対応できるまちづくりに取り組むことを明らかにいたしたところでございます。  また、私は、市議会議員を志して以来、市民が主役の透明性の高い市政の実現を旨として、市民の皆様が幸せを実感できる夢と活力にあふれたまちづくりを目指し、行動と信頼で市民の皆様とともに手を携えて夢の実現に邁進することを訴えてまいりました。
     本日は、このような観点を踏まえながら、市長が示された市政改革プランを中心に、自由民主党熊本市議団を代表して質問させていただきます。市長初め執行部の皆様方には御理解をいただきまして、明快なる御答弁をお願いしたいと存じます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  まず、市長の市議会に対するお考えについてお尋ねいたしたいと思います。  具体的に申し上げますと、市長は熊本市の執行部と議会との関係について、どのような姿が望ましいとお考えなのでしょうか。市長は常々、市民が主役であり、市民協働まちづくりを進めたい、このため市民との直接対話を積極的に推進したいという趣旨のことを主張しておられます。私もこのような市政には、今の時代において、特に基礎的自治体において、まさに求められている思想であり、基本的には賛意を表したいと思います。  そして、これを実現していくため、市長を初め執行部におかれましては、現在具体的な手段として、市民に対する積極的な情報公開はもとより、市長への手紙やまちづくりトーク、おでかけトーク、あるいは各種審議会委員への公募を含めた市民の積極的な登用などに精力的に取り組んでおられます。市長初め執行部におかれましては、このように市民に対しては非常に神経を使っておられ、丁寧に対応しておられますが、その一方、私ども市議会に対してはいかがなのでありましょうか。  私ども市議会議員は、市長同様、地方自治法に基づき市民による選挙の洗礼を受けて議会を構成しております。したがいまして、議決すべき議案などの審議に際しましては、選挙民である市民に対し的確な判断を下すべき責任があり、提案された案件については真剣に検討し、論議を行う責務があるのであります。また、執行部の事務執行を注視していく上でも同様であります。  このため、日ごろさまざまな市民の声をお聞きすることはもとより、市の施策や実際の進捗状況などについて、不断の調査研究などを重ねる必要があります。このような作業を行う上で、執行部が保有する情報の入手は非常に重要なのであります。  また、市長は常々市議会に対して、公の場で議論をしたいと言っておられます。しかしながら、市長、執行部の大量で多様な情報に裏づけられた論拠に対し、議員が個人で収集した情報で理論的に挑むのは甚だ困難な面が否めません。すなわち市長、執行部と同等の情報力や情報量を持ち得てこそ対等の議論が成り立つのであり、市長部局と議会との情報の共有化が強く求められていると思うわけであります。  具体的に申しますと、政策に関しましては、立案する過程でのさまざまな情報、例えば現状と課題、対策の選択肢とその理由づけなどであります。人事案件に関しましては、その人の人格と識見など適格性に関する情報であります。私は、何も個人的に根回しを求めているのではありません。市議会にはそれぞれ政策、理念を一つにする会派があります。  例えばその会派ごとに、直接これらのことを十分に説明をなされたらいかがでしょうか。議員の情報収集力の限界を身にしみて経験なさったのは、県会議員を務められた幸山市長、あなた御自身ではないのでしょうか。それでいて、きちんした説明責任も果たさず、大いに議論をしようとおっしゃる。その真意はどこにあるのか、はかりかねる思いがいたしております。  確かに、地方自治法においては、議会の調査権が付与されており、執行部の事務に対する調査や監査の請求権が認められております。また、全員協議会や各派の勉強会などにおきましては、執行部からそれなりの説明が行われたりはしております。しかしながら、やはり形式的でおざなりな感じを抱いているのは私だけでしょうか。市長、執行部は、議会に対して必要以上に距離を置いておられるのではないでしょうか。市民に気を使って議会をおざなりにするあしきポピュリズム、つまり大衆迎合主義の幻影が見られるような気がしてなりません。  議会と執行部は互いに胸襟を開いて、フェース・ツー・フェースで交わるべきではないでしょうか。そして互いに切磋琢磨し、力を合わせ、あすのふるさとづくりに汗を流すべきではないでしょうか。そうすることで、国の三位一体改革が進み、一層厳しさを増す市政運営において、ともに力を合わせて難局を乗り切り、市民に対して責任を果たすことにつながると思いますが、いかがでしょうか。  幸山市長にお尋ねいたします。本市の執行部と議会との関係について、現状をどのように認識しておられるのか、またどのような姿が望ましいとお考えなのか、御見解をお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま市議会と執行部の望ましい姿について、齊藤議員の方からお尋ねがございましたので、お答え申し上げます。  この件につきましては、これまでも再三にわたり、議員の皆様方から御質問をいただいているところでございまして、これまでも繰り返しこの議場におきまして答弁をさせていただいたところではございますが、改めましてお答えさせていただきたいと存じます。  私は、執行部と議会とは公の場で建設的な議論を展開することによりまして、互いの信頼関係を構築し、市政発展に取り組んでいくことが望ましい関係であると考えております。  このような中で、現在各常任委員会において、市政改革プランなど、本市の将来を左右する重要な課題につきまして、議会開会中はもとよりでございますけれども、閉会中におきましても継続的な審議をしていただきますなど、大変な緊張感の中におきまして、長時間に及び活発な議論が展開されているところでございます。  しかしながら、ただいま御指摘がありましたように、その一方では、議会から説明が不十分であるという御指摘もあっているところでございまして、また、議論をさらに深く掘り下げますためにも、これまで以上にわかりやすい資料の作成と、できるだけ早い段階におきましての提供、さらにはもっと丁寧な説明が必要であると認識しているところでございます。  ただいま議員の方からも、議会に対し必要以上に距離を置くことなく、胸襟を開いてという御指摘があったところでございます。私といたしましても、住民の、市民の皆様方の代表である執行部と議会とが、互いの役割と機能を尊重しつつ、情報を共有いたします中で、山積する課題の解決に向け、建設的な議論が展開できますように、御指摘の件も踏まえまして努力してまいる所存でございます。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  ありがとうございました。  実は、私の原稿では、公の場で議論をする、市民の意見を聞くなど、どれも従来の主張を繰り返されるだけというようなことを使っておりましたが、今、できるだけ早く、もっと詳しくということ、胸襟を開いてというような御答弁いただきました。少しずつ近づいてきているのかなというような気はいたしております。  市長は、市民との協働をまちづくりの大きな柱の一つにしておられます。もちろん、市民との協働は大事であります。しかし、市議会議員との協働もまた大変必要なことであります。今、本市が21世紀の新しい形をつくるために大きくかじをとろうとする中で、本当に実のあるやり方で、市民、市議会双方との協働作業が不可欠であろうと思います。  議員の情報収集能力は限られておりますが、それでも議員はそれぞれの地域の中で日常的に市民との意見や情報の交換を行っており、我々議員は、市民の考えや気持ちは痛いほどわかっております。市長がいかに市民と直接対話をしているとおっしゃっても、52名の議員の総量と比べると、それは比較にはならないんじゃないでしょうか。言葉を変えれば、議会も民意を反映する機能をシステム的に持っておりますので、どうぞ胸襟を本当にお開きになって、議員の能力を十分に御活用いただきますようお願いを申し上げまして、次に移りたいと思います。  パブリックコメントについてのお尋ねであります。  幸山市長は、今回の市政改革で、市民と情報を共有し、政策形成への市民参加を推進していくとされ、また、さまざまな機会をとらえて市民の意見を聞き、計画の推進見直しに反映させるとしておられます。  その具体策だと思いますが、市政改革プランについて、1月27日から2月26日まで、3週間のパブリックコメントを実施され、また市内の6カ所で地域説明会を開いておられます。  しかしながら、パブリックコメントといっても、今回極めて抽象的な計画に対して行われたものでありますし、地域説明会といっても1カ所当たり2時間、たかが6カ所での説明会でありました。  市長は、これで市民に十分に説明した、市民の意見を聞いたとおっしゃるのでしょうか。もしそうであれば、その結果として、市政改革プランのどこをどう変更されたのですか。ほとんど何も変わってはいないのではないでしょうか。一連のてんまつを拝見しておりますと、市長は市民の意見を聞くとか、計画に反映させるとかおっしゃいますが、結局それはまやかしではないのでしょうか。パブリックコメントも説明会もその実態は単なる儀式、あるいは帳面消しにすぎず、市民に過度の期待を与えるものと言わざるを得ないと思います。同じ趣旨のことが地元の新聞紙上でも指摘されております。  私は、こんなことが続けば、市民の間では、意見は寄せたが結局は聞いてもらえず、かえって失望感が広がり、市民の市政に対する不信感を助長することになるのではないかと大変心配いたしております。  また、今回のパブリックコメントでは、市長は、手続上の間違いを犯しておられます。それは、さくらカードに関するものであります。本来パブリックコメントとは、市長が最終決定を行う前に、市民の皆様に公表して広く意見を伺うものであります。市議会にかける案件であれば、当然パブリックコメントの手続を終えた後、市議会に提案されることになります。  ところが、さくらカードではどうだったのでしょうか。9月議会でも、10月の中間報告の際にも、そして11月の委員会でもまだ検討中ですと言っておられたのが、突如、12月議会に有料化を前提とする予算案提出がなされ、その後おくれて1月にパブリックコメントの手続に入られました。  しかし、市民は市議会を通過した案件に対して、パブリックコメントを求められてもどうしようもないのではないでしょうか。さくらカードに関しては、結局、市民も市議会も軽視された結果に終わってしまい、大変残念に思うわけであります。  さて、今回の市政改革プランは、将来の熊本市の形をつくる極めて大切なものであります。したがいまして、各界各層の市民のさまざまな意見を集約するのは当然でありますが、その仕組みとしましては、私は3つほどあると思っております。  1つは、市民の代表である市議会議員による議論であります。  2つ目は、今回家庭ごみの有料化に関して設置されました市民会議のように、学識経験者や公募で選ばれた市民などで構成される専門委員会による議論であります。  3つ目は、広く市民の皆様の御意見を伺ういわゆるパブリックコメントであります。  中でも、近年市民の政治への参画意欲や能力が十分に成熟してきていることを考えますならば、このパブリックコメントは、市民の自由な意見表明の機会として極めて大切なものと認識すべきものであります。  このような観点からいたしますと、さまざまな市政の課題に関しまして、民意を集約反映させるためには、この3つの仕組みのそれぞれの役割や機能を十分に認識して、しっかりと活用することが必要になってくるわけであります。  そこで市長にお尋ねいたします。市長は、民意を集約する仕組みについて、基本的にどういうお考えを持っておられるのか。中でもパブリックコメントをどう位置づけておられるのかをお聞かせいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま民意を集約する仕組みについて、その基本的な考え方、さらには特にパブリックコメント位置づけについてお尋ねがございましたのでお答え申し上げます。  市民の声を反映する手段といたしましては、ただいま御紹介もありましたけれども、各種審議会での議論、またパブリックコメントアンケートなど、広く一般市民から意見を募集する方法、さらにはまちづくりトークですとかおでかけトークなど、直接お話を伺う方法などが考えられるところでございます。  これらにつきましては、例えば先ほどはごみのことで御紹介いただきましたが、ほかにも御紹介申し上げますと、熊本城の利活用など専門的な案件の場合は、その専門性などから、その専門の委員会で議論を掘り下げていく。あるいは今回のまちづくり戦略計画などのように、すべての市民にかかわる基本的な事柄につきましては、策定前の市民アンケート調査やあるいは素案の段階でのパブリックコメントなどで意見を求めるなどといったように、それぞれの案件や熟度に応じまして、これらの手法を活用してまいりたいと考えております。  もとより市議会におきましては、本会議や委員会等での審議を通じまして、住民の代表としての御意見を伺うほか、予算を初めとする議案におきまして最終的な賛否をいただくことになるわけであります。  次に、パブリックコメント位置づけについてでございます。  本制度は、本市の行政計画等政策立案過程におきまして、案の周知及び市民の意見表明の機会を拡充することによりまして、開かれた市政の実現と幅広い市民の市政への参加を促進することを目的としておりまして、一連の手続を制度化したものでございます。  本制度の対象となります案件は、市の基本的政策や個別分野における基本方針等を定める計画や、市民の権利、生活、事業活動に係る条例等の制定や改廃でありまして、手順といたしましては、素案の段階でパブリックコメントを実施し、これを踏まえ、素案の加筆修正を行うとともに、執行部案を作成し、これを市議会において議論していただき成案とする、このような手順になろうかと存じます。  このような中、ただいま議員の方から、今回の市政改革プランに対するパブリックコメントについて御指摘をいただいたところであります。  本件につきましては、昨年4月に市政改革本部を立ち上げまして、6月に市政改革に向けた112の検討項目を掲げ、10月には中間取りまとめの公表、本年1月には素案の公表といったように、作業の進捗状況に合わせ、市議会を初め市民の皆様に報告いたしますとともに、さらに本年1月末から2月中旬にかけまして、市政改革プランの素案全体につきましてパブリックコメントを実施したところでございます。  結果といたしまして、470人の方から933件の意見が寄せられたところでありまして、さくらカードなどの単体の案件についての意見も多かったところでありますが、すべて丹念に目を通させていただきまして、市の考え方や対応につきまして一つ一つ丁寧にお答えを申し上げたところでございます。  また、意見を踏まえ、素案を修正あるいは追加補足したものがその中で54件、既に意見の趣旨が盛り込まれているものにつきまして78件、今後その計画の実施段階等での参考とさせていただくというものが316件となっておりまして、本制度の目的でございます素案の周知や、あるいは市民意見の表明といった観点から、大変意義のあるものであったと認識しております。  しかしながら、市政改革プランで盛り込んでおります案件すべてにおきまして、今回の実施によるパブリックコメントの手続を終了したというものではございませんで、例えばこのプランに基づきまして、別途計画の策定や条例の制定等を行う際には、実施要綱に照らし合わせまして、改めてパブリックコメントに付す必要があるものにつきましては、今後ともその要綱にのっとって適正に実施してまいる所存でございます。  現在、本市では、市民協働による新しい熊本づくりを進めてまいりますために、住民自治の理念に基づきましたまちづくりのルールといたしまして、仮称でございますけれども熊本市自治基本条例の策定に取り組んでいるところでございます。今後、市民の声を市政に反映させる仕組みにつきまして、その位置づけなどあわせて検討してまいりたいと考えております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  パブリックコメントの期間、それから人数を今お述べいただきました。もちろん、初めての試みということでありますので、いろいろな戸惑い、いろいろなことがやはり市民との間に起こるんであろうということは想像できるんです。  ただ、これで満足だと、これでよかったんだというようなひょっとしたら御答弁だったのかもしれませんけれども、それはちょっと違うんではないか。やはりもう少し市民の声を本当に聞いていただく、その内容も、例えば言葉のちょっとした変更とか、そういうのが非常に見受けられるんです。私も読みました。しかし、やはり期間も十分ではない。もう少しいろいろな工夫がこれに対しては今後必要になってくるのではないかと、そういうふうに思っております。  今回の市政改革プランは、将来の熊本市の都市像を左右するものとの思いから、市民のさまざまな意見をどう集約するのか、その仕組みについてお尋ねいたしました。改革を冬山登山に例えるならば、冬山の場合、天候に関する情報収集、体力に応じた無理のないスケジュールの作成など、入念な計画と周到な準備が必要であり、これらを怠ると最悪の結果を招いてしまいます。大きな改革を行うときも同じことが言えるのではないでしょうか。今回市長が、本市の10年、20年先にも影響を与える市政改革をわずか1年足らずでまとめられたことは、私にはどうも拙速に過ぎたように思えてなりません。職員の御苦労も大変なことだったとお聞きいたしております。この点を指摘して次に移らせていただきます。  次に、財政問題についてお尋ねいたします。  本市におきましては、平成7年に熊本市行政改革推進本部が設置され、以来、市政改革への本格的な取り組みが始まっているわけであります。中でも、本市の財政問題につきましては、平成8年度から始まる第1次行政改革、あるいはそれを受けた平成12年度からの第2次行政改革でも最重要課題の一つとして取り組まれてきております。その結果、50億円の改善やさらに30億円の改善など経費削減の目標や6,500人体制の確立という職員数の目標など、財政の健全化に資する目標はおおむね達成されたと評価されているところであります。  今回、幸山市長もこのような改革の理念を引き継ぎ、先月お示しの行財政改革推進計画の中で、本市の財政状況、とりわけ将来の財源確保に対して大変厳しい認識を示しておられます。  ところで、我が国の国家財政は、御案内のように近年大変逼迫した状態にあります。例えば国の一般会計の税収は、バブル期だった1990年度には60兆円でありましたが、昨年度はその7割の42兆円と、今から18年前の1986年度の水準にまで落ち込んでおります。新年度の税収もまた財務省の試算によりますと、前年の同額の41兆8,000億円にとどまる見通しですが、今後の景気動向次第では当然さらに落ち込む可能性もあります。財務省は、こうした国家財政を家計に見立てて、毎日借金をして、今やサラ金地獄に陥っている状況だと言い、危機感をあおっているかのようであります。  このような厳しい財政状況を踏まえ、国はいわゆる三位一体の改革の中で、自治体に配分される臨時財政対策債を含む地方交付税を平均で前年度比12%も減らし、過去最大の削減率を提示しております。これは当然、熊本県及び県内の各自治体の当初予算編成に大きな影響を与えており、本市でも前年比11.1%、額にして55億円程度少なくなるとの試算が公表されております。これだけ地方交付税が削減されますと、当初予算の編成が大変心配になります。借金を返して予算を組むとなりますと、当然歳出規模は縮小するわけですが、一方では都市基盤の整備や教育、福祉など、投資すべきところには投資をしていかなければなりません。つまり、予算編成のめり張りが大変重要となるわけであります。  一方、市長は、今回の市政改革の中で、行財政改革の過程で生じた人、物、金を新しい熊本づくりに投入していきたいと、繰り返し御説明になっております。  そこで質問ですが、1点目に、ここ数年来、歳入規模が縮小する中で、今回はこれに追い打ちをかける形で国からの地方交付税が削減されております。市長は、基本的にどういう方針で新年度の当初予算編成に臨まれたのか、特に先ほど申し上げましたようなめり張りをどうつけられたのかをお尋ねいたします。  2点目に、改革で捻出された財源についてでありますが、資料を見てみますと、これは初年度が16億円で、計画が終わる20年度では41億円になると見積もっておられます。そこで改革のどういう分野でどの程度の財源が生まれると見積もられたのか、その内訳をお聞かせください。また、今後それをどの分野に投資されるのかもお尋ねいたします。  さらに、3点目として、財政健全化指標についてでありますが、昨年秋に中間報告をされた際と、今回の最終案を比べますと、目標値が下がっております。これは先ほど来申し上げております国の地方財政計画の影響でありますが、心配なのは、今後国がさらに厳しい態度に出ますと、また目標値が下がることになります。  そこで市長は今後、国や市税収入との関係で本市財政の最悪のシナリオをどの程度予測しておられるのか、危機管理から申し上げると、その準備もまたしておいた方がいいのではないかと思いますのでお聞きいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  財政問題についてお答えいたします前に、先ほどの民意の集約の件につきまして、一言改めて申し述べさせていただきたいと思いますが、何も私は、今回のことですべての意見を反映したですとか、あるいはこれで満足しているというふうなことを言ったつもりではございません。  今回、パブリックコメントに合わせまして、地域説明会等開催させていただきました。それは大事なプランでもありますだけに、少しでも多くの市民の皆様方に御理解をいただきたい、さらには理解していただいた上でいろいろな御意見をいただきたいという思いで、そういう新たな取り組みもしたところでございますが、そういうことをやる過程において、まだまだ課題も出てきたところでございます。  ですから、市民の声を反映する手段として、先ほども触れましたように、今後さらに定着をさせて、より多くの市民の声を反映させるような仕組みというものを今後も引き続き検討してまいりたいというふうに思っておりますので、改めて申し述べさせていただきました。  それでは、財政につきましてお答えさせていただきます。  ただいま御指摘にもございましたように、新年度の予算におきましては、今回の地方財政計画で示されました国の三位一体の改革の一環としての地方交付税臨時財政対策債の大幅な削減という非常に厳しい状況のもとでの編成となりました。  このような中、21世紀の新しい熊本づくりを戦略的に進めてまいりますために、現在まちづくり戦略計画並びに行財政改革推進計画の策定を進めているところでありまして、今回の予算編成に当たりましては、この策定に向けたさまざまな論議を念頭に置きまして、すべての事業を見直し、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に心がけたところであります。  この中で特に、まちづくり戦略計画に掲げました3つのターゲット及び市民協働の取り組みに財源の重点的な配分を行ったところであり、これを具体的に若干申し上げますと、まず、市民協働まちづくりにおきましては、自治基本条例素案づくりですとか、校区自治協議会の設置に向けた取り組み、良好な環境を未来へと引き継ぐまちにおきましては、白川中流域を中心とした地下水涵養ですとか、生活用水の節水対策の推進、あるいは子供たちが健やかに成長するまちにおきましては、保育サービスの充実、育児相談体制の拡充など、地域の子育て支援や少人数学級、少人数指導への取り組みなど、個をはぐくむ学校教育の推進、また人々が集う元気なまちにおきましては、九州新幹線の全線開業を見据えました熊本駅周辺の魅力あるまちづくりや熊本城を中心とする都心部の都市機能の向上、あるいは本市固有の地域資源をブランド化するKUMAMOTOブランドの確立、さらに将来の政令指定都市を目指しましての取り組みなどに積極的な予算措置を講じたところでございます。  一方、必要性、効率性などの観点からすべての事業の見直しを行いまして、事務経費の縮減はもとよりでございますが、例えばみかんブランデー事業の廃止や消防の新港出張所の飽田天明出張所への統廃合、中央勤労青少年ホームの廃止と青少年センターへの転用並びに機能の拡充、また、学校図書につきましては、図書という限られた資源を図書館及び学校間での共有化を行い、サービスの拡充とともに経費の縮減を図るという措置も行っているところでございます。  このように、今回の予算編成に当たりましては、見直すべきところは見直し、取り組むべき課題につきましては重点的な財源の配分を行ったところでございます。  2点目の行財政改革で生み出される財源についての御質問でございますが、改革期間の最終年であります平成20年度におきまして、総額で平成15年度に比べまして約41億円の改善を目指すこととしております。  その具体的な内容といたしましては、職員数の削減や手当等の見直しなど人件費関係で23億円、受益者負担の見直し関係で3億円、市税等の徴収率向上関係で3億円、事務事業の見直し等により12億円を見込ませていただいております。そしてそこで生み出した財源を、まちづくり戦略計画に掲げます3つのターゲットの実現に向けまして、新規事業、拡充事業への対応も含め、重点的、集中的に投入してまいりたいと考えております。  次に、今後の財政見通しにおける最悪のシナリオへの対応についてでございますが、今回の行財政改革でお示ししました財政の中期見通しにおきましては、地方交付税臨時財政対策債につきましては、大幅に削減されました平成16年度の当初予算額をベースとし、今後の伸び率をゼロ%で想定しております。市税におきましても、現在確定している制度改正は考慮しつつも、調定の伸びはないものとするなど、今後5年間基幹的財源は一切伸びないという前提で計画を立てたところであります。  確かに、ただいま御指摘もありましたように、今後の動向は非常に不透明でございまして、特に地方交付税につきましては、現在の国の動きを見ましたときに、さらなる削減ということも想定されるところでありますけれども、これが最悪の場合どの程度になるのかということにつきましては、現時点で国が将来的な方向性を示しておりませんで、具体的にお答えすることは困難でございます。  しかしながら、御指摘のとおり、地方交付税等がさらに縮減された場合への対応は考えておく必要があると認識しておりまして、この意味でも行財政改革推進計画を着実に推進することはもとよりでございますが、できる限り前倒しの実施を図り、スリムで時代の変化に柔軟な行財政体制の早期実現に努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後の国の動きを見きわめながら、本計画につきましても毎年見直しを行ってまいりたいと考えております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  幸山市長におかれましては、本当に厳しい財政状況の中で予算編成も大変であったろうと拝察いたします。  ただ、市長はスリムで合理的な行財政システムだとか、行財政改革の過程の中で財源を生み出すとか言われておりますが、どうも今の話からも、生み出された財源は主に児童育成クラブや諸手数料の値上げを初めとした市民の新たな負担と、そして職員を減らすことから生まれるお金が多いように思われてなりません。  確かに時代が変わっているわけですから、市政改革は必要です。ぜひともなし遂げてほしいものであります。ただ、注意していただきたいことは、仮に支出を削るだけの改革や市民に負担を求め過ぎる改革で終わってしまえば、市民生活や地域経済縮小傾向に陥り、それだけ活力がそがれてしまうことです。  そこで御提案を申し上げたいのですが、一方で改革を進めると同時に、他方でいわば体力をつけること。そのために知恵と工夫を凝らすこと、これが必要ではないかと思うわけであります。現に、全国の地方自治体を見てみますと、知恵と工夫を凝らして新しい自治体経営の手法に取り組まれているところがたくさんあります。そのようなことから、知恵と工夫が要求されるまちづくり戦略計画に論点を移していきたいと思います。  まず、このまちづくり戦略計画を拝見させていただいて、これは平成12年3月に策定された基本構想にそっくりだなと感じたところでございます。例えば自然との調和や市民との協働、あるいは環境保全や子育て支援、みんな既に語られていることであります。もちろん、それだけ大事な理念であり、大事な政策でありますので、共通しているのも当然かもしれませんし、また、政策の継続性から是とすべきかもしれません。  ただ、施策の新しさ、今求められていることは何かという点からいたしますと、何か物足りなさを感じるのは私一人ではないのではないかと思うのであります。その足りなさを私なりに表現いたしますと、都市間で競争が激化する時代の新しい戦略づくりと言えるかと思います。この点が欠落しているように思えるわけであります。  そこで、地方分権時代の都市間競争という観点から、4つのテーマについてお尋ねいたします。  1つ目は地域再生構想と構造改革特区構想について、2つ目は観光戦略について、3つ目は地域経済の活性化戦略について、最後の4つ目は国際化戦略についてであります。  まず、第1のテーマ、地域再生構想と構造改革特区についてお聞きいたします。  御案内のように、国におきましては、平成13年に都市の魅力と国際競争力を高めることを目的に都市再生本部が設置され、平成14年6月には、地域の自発性によって規制改革を進めるために構造改革特区の導入が決定されるとともに、平成15年10月には地域経済の活性化と地域雇用の創造を、地域の視点から積極的かつ総合的に推進するため地域再生本部が設置されております。つまり、国はこのような制度を通して地方の新しい形をつくろうとしていると言えるものと思います。  特に、昨年から始まった地域再生への試みは、構造改革特区の手法を踏襲し、従来型の財政措置を講じないことを基本とすると言いつつも、実際は限られた国の予算を特定地域に集中させるものともいえ、国との関係においては知恵と工夫を用い、限られた予算を地域間で奪い合うという新たな地域間競争が本格的に幕あけしているわけであります。  このような中で熊本県は本年1月、早々に独自の地域再生構想をまとめ上げ、半導体関連産業の集積が進む地域への国の支援を求める熊本セミコンダクタプレスト構想など4つの提案を行っており、その他県内市町村では14提案が行われ、これに対して国は先月、荒尾市の観光農漁業の活性化、矢部町の小学校の跡地活用、そして本渡市の中心市街地活性化、以上3件を支援対象に含める方針を公表しております。また、構造改革特区に関しましても、熊本県はこれまで幾つもの提案をし、知恵と工夫を示しております。  それでは、本市ではどうでしょうか。まず、地域再生構想ですが、路面電車延伸のための手続の敏速化などを要望し、市電の延伸を含む水前寺江津湖公園活性化構想を立てて応募しましたが、残念ながら採用には至りませんでした。また、構造改革特区につきましても、本市はまだ1件の採用も受けておりません。  市長はまちづくり戦略計画の中で、都市間競争に耐え得る新しい熊本づくりと言っておられますが、地域再生構想や構造改革特区など国との新しい関係づくりという視点からは、他都市、他地域に比べて大きくおくれをとっているのは偽らざる現状であります。これからは、市役所が高度に政策立案機関として機能し、先ほど申し上げましたように、知恵と工夫を国に示していく時代であろうかと思います。それが少なくとも国との関係で他の類似都市との競争を乗り切っていく道であると考えているわけであります。
     そこでお尋ねでありますが、今後のまちづくり戦略計画の中で、地域再生構想や構造改革特区構想をどのように取り入れていきたいと思っておられるのでしょうか、御所見を幸山市長にお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、都市間戦略についての地域再生構想と構造改革特区構想につきましてお答えさせていただきます。  本格化いたします地方分権時代にありまして、地方自治体は自己決定、自己責任のもとに地域の特性を踏まえまして、これを最大限に生かしたまちづくりを進めることが求められているわけでございます。  そこで、本市におきましても、新たな時代変化の中で、今後5年間、特に重点的に取り組むべき分野と達成すべき目標を掲げまして、本市が進むべき方向を明確に示しますとともに、その実現のための道筋を明らかにするために、現行の基本計画を見直し、新しい熊本づくりへ向けたまちづくり戦略計画の策定を行っているところでございます。  また、国におきましては、地方自治体が有する地域の産業、技術、人材、観光資源、自然環境、歴史、文化などなどを知恵と工夫により有効活用することによりまして、地域経済の活性化を図り、十分な雇用を創出することを目的とした構造改革特区や、あるいは地域再生への取り組みが進められているところでございます。  御案内のとおり、構造改革特区におきましては、規制改革のみで従来型の財政措置は講じられないのに対しまして、地域再生計画におきましては、地域がみずから考え行動する、国はこれを支援することを基本としておりまして、計画が認定された地域に対して優先的な予算の配分を実施する方針でありますことから、各自治体の知恵と工夫が試されることとなります。  本市といたしましても、これまで、全庁的に構造改革特区の認定申請に向けた検討や地域再生構想の提案を行ってまいったところでございます。特に地域再生構想につきましては、水前寺江津湖公園の活性化構想といたしまして、路面電車の延伸を含む4つの支援措置を国へ要望したところでございまして、先月末には、国におきましてこうした地方自治体等から提出された3,000余りの支援要望事項に対して、地域に限定して効果を持つ支援措置や、あるいは全国を対象とした支援措置等の整理が行われたところでありまして、地域再生のためのプログラムが決定されたところでございます。  本市といたしましては、この国のプログラムに基づいた地域再生計画を策定いたしまして、認定を得るための準備を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、今後のまちづくりには、知恵と工夫を凝らすことが重要でございまして、構造改革特区あるいは地域再生も、こうした意味におきまして有効な手段でございますので、積極的に活用してまいりたい、さらには市における政策立案機能を高めてまいりたいと考えております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  知恵と工夫というのものは決して一朝一夕のうちに出てくるものではありません。やはり職員の能力や組織力のたまものであります。  市長は日本一住みやすく暮らしやすい街づくりを提唱しておられます。近年は、ナンバーワンではなくオンリーワンの時代であり、この標語につきましてもいささかどうかと思うわけでありますが、青年市長の志の高さは大変評価するところであります。  いずれにいたしましても、国はこれからもさまざまな制度や手法を地方に提示し、地方の自立を迫ってくると思います。先進都市に倣って、ぜひとも国のこのよう制度や手法を活用して、熊本市らしいまちづくりに邁進してほしいと思います。  次に、都市間競争戦略の第2のテーマ、観光戦略についてお尋ねいたします。  先ほどは、国との関係で地域間の競争が本格化していると申し上げましたが、当然地域経済の分野でも地域間や都市間において競争が激しさを増す時代に入っております。  地域経済の活性化を語るときに、1つの視点は、本市の潜在的な能力を引き出すことにあるかと思いますが、この点、まちづくり戦略計画を見てみますと、本市の特性を踏まえ、これを最大限に生かしたまちづくりに取り組む必要があると明記されており、この考え方には大いに賛同を申し上げる次第であります。  そして本市の場合、その特性の一つが観光コンベンション産業であります。この産業は、市場規模的に見ますと、来熊されるお客様を市域外、県外、国外と広げていけますので、地域内の人口に依存することなく、その市場はまさに無限大の可能性を持つ極めて有望な産業であります。このことは、国内外の各都市、各地域にとっても同様であり、そのため、それぞれが観光コンベンションの振興に必死になって取り組んでおり、私たちは国内外の激しい競争にさらされていくことを強く認識しなければなりません。  このような認識のもとで、政府も国家戦略として観光立国に取り組んでおり、本県でも、熊本経済同友会が昨年秋、一足先に提言をまとめておられます。それは新しい観光集客の振興に向けた提言と題するもので、いろいろな具体的な施策を盛り込んでおられ、提言からは策定委員の方々の強い危機感が見てとれます。私もこの提言を読ませていただきましたが、現状分析として、熊本市では日帰り客より経済効果の高い宿泊客がこの10年間で15%も減少しているということであります。  このような現状を踏まえ、提言では熊本市の観光都市に向けた明確な意思表示が必要であり、それに向けた体制づくりを行うことを強く要望したいと本市の大いなる奮起を促しておられます。  このような中、市議会といたしましては、昨年9月、観光立市くまもと都市宣言を全会一致で可決しており、本市が進むべき一つの道を明確にしたところであります。  また、市長におかれましても、まちづくり戦略計画の中で、熊本城などの観光資源の利活用や特産品のKUMAMOTOブランドの確立を掲げておられ、この観光立市宣言を具体化する方策として拝見したところであります。  ただ、先ほどから申し上げておりますように、地域間競争がこの観光分野でも激化している時代には、もっともっと強力な政策が必要であります。  そこで私は市長に一つお願いするわけであります。それは、市長御自身によるトップセールスであります。私は、これから全国3,000のほとんどすべての市町村が観光コンベンションにさらに力を入れていくと思っておりますが、その中で、地域間競争の雌雄を決する一つの要因は、市長自身によるトップセールスであると思っております。市長みずからが本市を売り込み、観光客をふやしたり、コンベンションや企業を誘致したりすることは、市長の対外的な大きな仕事の一つであると思うわけであります。これまでを振り返ってみましても、例えば昨年のNHK大河ドラマ「武蔵」、平成18年の世界スポーツ会議などは、市長のトップセールスの成果と言えます。  先月、我が党から市長に対して要望書を提出させていただいておりますが、その中でも、本市経済の浮揚を図る観点からコンベンション支援策の拡充を要望しております。それとあわせて、市長にはぜひ一過性のコンベンションではなく、2回、3回と継続的な開催ができるよう、コンベンションを誘致するトップセールスをお願いできないものかと希望するものであります。  さらに市長には、折に触れ、トップセールスの成果を私どもに御披露いただきたいと思います。そういたしますと、だれもが市長に続けとばかり、観光立市くまもとのために意気が上がり、精を出すことにつながるかと思います。  以上、まず1問目は市長のトップセールスについてお聞きいたしまして、市長の思いなり戦略をお尋ねいたしました。  さらに続きまして、2問目をお伺いいたします。  観光コンベンション産業の振興を考えるとき、基本的に行政が担うべき分野の一つといいますのは、交通インフラの整備ではなかろうかと思います。御案内のように、長年の夢でありました九州新幹線の全線開通を平成24年に控えております。新八代−鹿児島間、13日でございます。あと3日後でございます。  そんな中、私はこれはもっと早まるのではないかと思います。と申しますのは、現実に運行が開始されますと、新八代と博多間がつながっていない中、新八代駅で乗りかえるのは大変不便ですし、また九州新幹線の経済性を大いに損なうものであり、1年でも早く全線開通するような力学が関係機関に働くのではないかと期待を込めて予測するものであります。  このようなことから、先ほど申し上げました我が党から市長への要望書の中でも九州新幹線の早期全線開業の2年程度の前倒しの実現に向けて、県市一丸となって国へ働きかけていただきたいとお願いしている次第であります。  きょうの朝刊でございますが、平成22年(2010年)度福岡−八代間が開通するとの記事が掲載されておりました。大変ありがたく、うれしく読んだところでございます。しかし、先ほど申しましたように、鹿児島−八代間の不便さというのは、現実に動き出しますともっともっと如実にその不便さというのがあらわれてまいります。私は、そういうことからいたしますと、この8年後ということが、いろんな力で6年ぐらいに短縮するということにもなってくるのではないかと思っているところでございます。  しかしそうなりますと、大変体制が今おくれているところでございます。九州新幹線を迎えての課題は山積しております。熊本駅周辺の整備や熊本合同庁舎の早期移転、あるいはまた熊本駅前広場から中心市街地までの整備などであります。中でも、道路関係につきましては、熊本駅と熊本空港間のアクセス、また熊本駅と阿蘇や天草のアクセス、さらに熊本駅が最寄りの駅となる上益城郡や菊池郡、阿蘇郡の各市町村とのアクセス、このように九州新幹線の熊本駅と各地とのアクセスをどのように改善するのか、また定時性を確保するのかも大きな課題の一つであると思います。  さらに、現在熊本都市圏における交通渋滞の緩和と利便性を図るためにバス網の再編が協議されておりますが、ぜひとも熊本駅と市内及び県内各地をどのように結ぶかという観点からも御議論をいただければと希望するものであります。  以上、九州新幹線の全線開通に向けての課題について述べてまいりましたが、特に熊本駅を中心とした交通インフラ整備について、どのような計画のもとでどういう実施状況になっているのでしょうか。都市整備局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の方からは、都市間戦略の中の観光戦略について、その中でも私のトップセールスについてのお尋ねでございましたので、お答えさせていただきます。  ただいま御指摘をいただきましたように、都市間競争が激化しております中で、戦略性の高い強力な政策展開がますます必要になってきておりますし、特に観光分野におきましては、それがさらに強く求められているのではないかと認識をしているところでございます。  本市におきまして、観光振興につきましては、熊本城築城400年、あるいはただいま前倒しの話もしていただきましたが、九州新幹線全線開業という大きな転換期を迎えております中で、昨年は、市議会の皆様方全会一致によりまして観光立市くまもと都市宣言を採択していただいたところでございます。  また、民間におきましては、先ほどは経済同友会の皆様方からの御提言を紹介していただいたところでございますが、先日は、さらにそれに加えまして文化団体や、あるいは経済界の皆様方などが中心になっていただきまして、熊本城400年と熊本ルネッサンス県民運動本部を発足していただきましたけれども、このように市民や関連業界の観光に対する関心の高まりに大いに期待しているところでございます。  本市といたしましても、まちづくり戦略計画を策定し、熊本城を初めとする歴史・文化遺産、あるいは特産品などを生かした魅力づくりのためのKUMAMOTOブランドの確立を通して観光コンベンションの振興に取り組むこととし、私みずから先頭に立って本市の魅力を発信していきたいと考えております。  具体的には、現在、福岡経済界やあるいは首都圏県人会の皆様との交流などの中におきまして、本市を積極的にアピールしているところでございまして、今後さらにさまざまな機会をとらえまして、市の強い意思、意欲を示しながら、本市観光コンベンションの活性化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔中原謙吉都市整備局長 登壇〕 ◎中原謙吉 都市整備局長  観光戦略としての交通インフラの整備につきましてお答えを申し上げます。  熊本都市圏の都市交通体系につきましては、平成15年に熊本都市圏総合都市交通計画協議会から、目指すべき将来像といたしまして都市交通マスタープランが提案をされまして、道路関係につきましては2環状11放射道路の整備、公共交通関係につきましては都市圏内の8地区公共交通網の形成を柱とすることが示されております。そしてこのプランを指針といたしまして、昨年6月には新幹線開業に向けまして、国、県、県警、市、交通事業者が共通の認識、連携のもとに取り組む交通施策を、都市交通アクションプログラムとして公表したところでございます。  このプラグラムでは、熊本駅周辺につきましては、田崎陸橋の平面化など周辺道路網の整備を図るほか、西環状道路から春日池上線を新設するなど、駅へのアクセスの向上を図ることといたしており、また、駅前から中心市街地までの区間につきましては、熊本駅北部線などの道路整備を推進するとともに、路面電車の輸送能力向上や優先信号の設置など、その機能強化を図ることといたしております。  また、バス網についてでございますが、熊本都市圏バス路線に関する検討会議が設けられておりますけれども、その場におきまして、市内だけではなく、県内各地とのアクセスにつきましても、新幹線開業やその後の利便性も見据えた議論を促進してまいりたいと、このように考えております。  さらに、広域の道路網についてでございますが、県の中長期計画におきまして、熊本都市圏と県内主要都市とを90分で結ぶ90分構想が示されておりまして、阿蘇や天草と本市をつなぐ中九州横断道路や熊本天草幹線道路の整備が急がれるところでございます。  ちなみに、その整備状況でございますけれども、中九州横断道路につきましては、国によりまして大津町と阿蘇町とを結ぶ阿蘇大津道路が施行されておりまして、また、熊本天草幹線道路につきましては、熊本側は熊本宇土道路3.8キロメートル区間を国が施行しており、天草側は県施行によりまして松島有明道路のうち3.3キロメートル区間が既に供用されまして、残る区間につきましても平成18年度には完成の見通しと伺っております。  その他の広域道路の整備につきましては、報道等で御存じのとおりでございますが、九州横断自動車道延岡線の御船から矢部間が国による新直轄方式での整備が決定されまして、本年度に10億円強の予算が配分されたところでございます。  いずれにいたしましても、九州新幹線の開業や鉄道高架事業完成に向けました熊本駅を中心とする交通基盤の整備や観光立市のみならず、本市の発展に大きく寄与するものでございます。したがいまして、本市まちづくり戦略計画の中の魅力ある熊本駅周辺のまちづくりにおきましても必要不可欠の事業と位置づけておりまして、厳しい財政状況の中でも重要課題として取り組まなければならないと、このように考えております。  また、国や県などが担当いたします施策事業につきましても、今後ともその早期実現が図られますよう引き続き積極的に働きかけてまいりたいと、このように考えております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  市長にはトップセールスに向けた決意を語っていただきましてありがとうございました。このような市長のトップセールスを通じて、先ほどの提言で言われている熊本市の観光都市に向けた明確な意思表示が示され、民間サイドでは新たな事業展開に向けて前向きに検討が始まり、まさに官民一体となった観光振興につながるのではないかと、私も大いに期待を申し上げるところであります。  また、交通インフラにつきましては、大変予算も要りますし、国や県あるいは民間交通事業者などとの連携も必要でありますので、担当職員の皆さんも大変御苦労が多いと思います。ただ、観光立市くまもとを実現していく上で必要不可欠の事業でありますので、どうかよろしくお願いいたしまして次に移ります。  次は、再び都市間競争を意識しながら、第3のテーマであります地域経済の活性化戦略についてお尋ねいたします。ここでは私の考えを3つほど述べさせていただきたいと思います。          〔議長退席、副議長着席〕  1点目は、教育機関の誘致であります。  企業の誘致につきましては、本市でも製造業を中心に大変な努力をしておられますが、私はもっと幅を広げて、例えば教育機関の誘致もまた対象に入れられたらどうかと思っております。  この教育機関とは、例えば大学や大学院、専門学校などでありますが、これは市民に対して雇用機会を生み出すと同時に、そこで学ぶ学生さんたちがいろいろな消費活動を行い、地域経済を浮揚させる効果も高いと推測されるわけであります。  また、地場経済に対しましては、各地の人材の供給源にもなり、それがまた新たな企業の誘致につながるという好循環を生み出すものではないかと思っているわけであります。  特に、本市の場合は県内一の人口集積を誇っており、さらに都市圏人口100万人で考えますれば、県内にライバルとなる都市はいないのではないかともいえる強い優位性もあるわけであります。  現に、近年本市内の学校法人は顕著な動きを見せておられます。例えば崇城大学は、平成12年に芸術学部を新設し、今後は薬学部の設置も予定しておられます。また、この4月には、幾つもの研究課で修士課程や博士課程を追加的にオープンされるそうであります。あるいは、学校法人銀杏学園は昨年4月、4年制大学の熊本保健科学大学を発足しておられますし、熊本大学でも法科大学院がこの4月に開校されます。こうした動きはやはり本市に人口や産業、便利さなどが集積するという特性に着目したものではないでしょうか。私は、行政としてさらにこのような動きを加速させる必要があると思います。  そこで、こうした民間の学校法人の動きとのすみ分けを考慮した上で、新規の企業誘致施策として、インターナショナルスクールの誘致を提案するものであります。インターナショナルスクールは全国には30カ所ほどあり、九州では福岡市にあります。28カ国ほどから200名を超す子供さんが就学前から高校まで学んでおられます。  熊本県を見てみますと、平成12年の国勢調査で4,000人ほどの外国人労働者がおられますが、通学している19歳以下の人は107名おられますので、十分ニーズはあるかと思います。  また、熊本都市圏の内外には、半導体産業の工場が幾つも誘致されておりますが、今後海外資本を呼び込むには、子供の教育の場を整備することが極めて重要なことになると思います。同様に、市内外の大学に外国人の研究者が赴任してこられる際にも、子供の教育の場があること、これが熊本に行く決心をする上でのキーポイントになるのではないかと思うわけであります。  そこでお尋ねでありますが、本市でもこのインターナショナルスクールを誘致されたらいかがでしょうか。もちろん誘致するに当たっては、本市だけが動くのではなく、熊本県や本市内の学校法人とも連携をとる必要があると思います。近年に誘致ができれば、都市のインフラ充実、都市機能や魅力の向上に大きく貢献するものと思います。幸山市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  2つ目は、高齢者と消費という問題です。  現在、市の中心部を見てみますと、これまでにない一つの傾向が見られるように思います。と申しますのは、現在中心部には高齢者を対象としたマンションが次々と建設されております。これは市民の皆様がついの住かを中心部に求めているということでありまして、高齢者の方々にとって中心部での生活が医療面や文化、娯楽、買い物面でいかに便利であるかを物語っていると思います。  このような人口の移動は、まちの住みよさ、暮らしよさを物語る最も客観的な指標の一つであり、私は、高齢者の方々が必要とされる商品やサービスをもっと供給して、さらに便利な中心部にしなければいけない、それが中心商店街の活性化とともに、お年寄りを大切にするまちづくりにつながると思っております。  中心部はこれまで、どちらかといいますと若者のまちというイメージが強かったわけでありますが、これからは、例えば歩きやすいようにまちをバリアフリーにする、あるいは対話を大切にする対面販売を強化する。また、ちょっと一服ができる交流の場を設けるなど、これらはもう既に東京の巣鴨地蔵商店街や博多の川端商店街でも取り組まれていることですが、本市でもこのような高齢者にやさしい風情と人情味あふれるまちづくりを率先して支援することも必要なのではないかと思います。  そこで、本市で今後高齢者と消費という課題にどのように取り組まれるおつもりか、経済振興局長にお答え願いたいと思います。  最後の3点目は、農業問題についてであります。  本市の農業を見てみますと、平成13年度の農業産出額で全国3,221市町村の中では第5位の地位にあり、生産農業所得にあっては3位となっております。本市農産物の上位5品目は、米、ナス、メロン、ミカン、生乳の順となっており、ナスは全国第2位の生産量を誇っております。本当に多種多様な生産が行われているわけであります。  この農業の分野で今、国際的な競争力が問われようとしております。御案内のように、昨年当たりからよくFTA(自由貿易協定)の話が聞こえてくるようになりました。これも本日の朝刊でありますが、メキシコとの大筋合意がなされたというようなことが書いてありました。欧州のEUや北米のNAFTAなど有名でありますが、日本も現在はシンガポールとだけ結んでいるこの自由貿易協定を世界に広めようというわけであります。  その際に課題になるのが日本農業の競争力の問題であります。このような農業の競争力を高める対策としましては、地域の農地を集約して農家の生産規模を拡大し生産性を高めること、世界的に見て高い国内流通コストを減らすこと、あるいは関税削減で悪影響を受ける農家への所得補償を行うことなど各種の対策があるかと思います。  中でも現在注目を集めておりますのが、農産物の輸出であります。これまで日本ではいつも輸入だけが話題になっておりましたが、世界に目を転じれば、アメリカ、フランスなど先進国の大半は農産物の輸出国でありますし、世界の輸出額の約7割は先進国が占めております。  現に日本各地で農産物の輸出の動きが始まっており、例えば福岡県ではイチゴ、桃などブランド農産物を輸出しようと、今年度から上海で市場調査を初めておられます。また、既に台湾や香港では、青森産のリンゴが贈答用で人気を博しているとのことであります。本市でも世界に通用するブランド農産物の育成などが急務であります。  このような中、先月、自由民主党本部では、大きな市場になりつつあるアジア諸国などへの高品質農産物の輸出を盛んにし、国内農業を活性化させるために議員連盟農産物と輸出促進研究会を設立し、現在2,700億円の輸出額を5年後をめどに1兆円にしたいと意気込んでおられます。農水省でもこれと歩調を合わせ、新年度から輸出促進室を設置し、組織的に取り組むとのことであります。  そこで質問でありますが、本市では、このように農業をめぐる国際競争が大きく変化しようとする中で、現在どのような施策を実施しておられるのか、また将来に向けてはどういう施策をとられるおつもりかお尋ねいたしたいと思います。  ところで、西山経済振興局長は経済畑一筋の方であります。局長は長年何を目指して努力してこられたのか。これからの地域経済振興はどうあるべきだと思っておられるのか、市役所を勇退されるに当たり、最後に、これまでの豊富な知識と経験から地域経済の振興について語ってはいただけないでしょうか、お願いするところでございます。  西山経済振興局長は私と同期でございまして、私も大体ならばことし3月に退職する予定であるところでございました。つけ加えさせていただきます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  企業誘致の一方策としてインターナショナルスクールを誘致したらどうかという御提案についてでございますが、インターナショナルスクールにつきましては、一時的に日本に住む外国国籍を持つ子供たちや帰国子女にとって言葉の壁を感じることなく、学力や国際的な視野を養う教育の場として全国的に普及しつつございまして、ただいま御紹介の中にもありましたように全国で30カ所、九州では福岡というふうなお話でございました。  本市の在留外国人の現状を見てみますと、例えば英語圏におきまして永住等を除いて、16歳未満は6人程度、16歳以上で高校就学中の者が13人と少なく、このような状況からも、本市におきましては就学前のプレスクールやキンダーガーデンは数カ所見受けられますけれども、高校段階まであるインターナショナルスクールはございません。  現在、本市におきましては、平成15、16年度にかけまして、文部科学省の帰国外国人児童・生徒とともに進める教育の国際化推進地域の指定を受けたところでございまして、日本語指導や学習指導、生活習慣等の指導を行っているところでございます。  グローバル化の時代にあって本市の国際化を進め、海外からすぐれた企業や人材を誘致する上では、教育環境の整備は重要なセールスポイントであることは事実でございまして、議員御提案のインターナショナルスクールの誘致につきましては、将来的な課題として、今後県やあるいは教育関係機関等と連携をしてまいりたいと考えておりますが、当面は、小中学校における外国人児童・生徒等の教育の充実に取り組んでいく所存でございます。          〔西山哲雄経済振興局長 登壇〕 ◎西山哲雄 経済振興局長  まず、高齢者と消費について、高齢者のニーズに対応できる中心商店街のあり方についてでございますけれども、近年では、市内中心部における高齢者の居住人口は増加傾向にございます。そのことに対応して中心商店街では、休憩スペースの設置や通路の拡幅化、あるいは商品構成においてもさまざまな工夫を取り入れるなど高齢者に配慮した店舗も出現しているところでございます。  本市といたしましては、これまで商店街が行う休憩スペースの確保に対する助成、あるいは歩車道の段差解消等に取り組んできたところでございます。今後とも高齢者を初め、人々にやさしいまちづくりに取り組む商店街に対し、関係部局と連携して支援を行うとともに、中心商店街が高齢者にとって単に買い物に便利というだけでなく、子供や孫などの若い世代との交流により、にぎやかで快適に暮らせる場所となるよう引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  次に、国際競争に対応する農業政策でございますけれども、議員御指摘のとおり近年経済発展が著しい中国や東南アジア地域での所得が向上し、品質面で格段にすぐれている我が国の農産物への需要が高まるなど輸出環境は好転しております。これを受け農林水産省におきましては、本年4月から、先ほど議員御紹介がありましたように、省内に輸出促進室を設置し、前年度の17倍となる8億円強の輸出関連の予算化が進められており、日本貿易振興会(JETRO)においても日本職員海外市場開拓委員会の設置等の新たな取り組みが展開されております。  また昨年、熊本県を初め30の道府県が参加して農林水産物ニッポンブランド輸出促進都道府県協議会が発足しまして、国やJETROと連携して輸出に係る障壁の撤廃や販路拡大のために共同して取り組んでいるところでございます。  これまで本市においては、中国、韓国等安い人件費を背景にした安い野菜の輸入の急増による価格低迷などへの対応として、生産性の高い農業の担い手の育成や生産流通基盤の整備等を通じた品質向上、コスト低下に取り組んでまいったところでございます。  さらに、農薬や化学肥料の使用を低減する新たな技術の導入や、地域農業、地域農産物に関する情報の発信を行うなど、輸入農産物との差別化を図るためのさまざまな取り組みを推進してきたところでもございます。  今後は、輸出も視野に入れながら、まちづくり戦略計画におけるブランド化の支援を通して、さらに安全安心で付加価値の高い農産物づくりを進めるとともに、県や農業団体等と連携の上、輸出促進都道府県協議会を初め、国やJETRO等の調査、市場開拓活動を注視し、情報収集に努め、本市の特産品であるかんきつ類や野菜等において、その可能性などを検討してまいりたいと考えております。  それから次に、私個人に対する質問だと思いますけれども、商工関係が長かったから、何を目指してきたのか、また地域経済はどうあるべきかというようなことでございます。  私は若いころ中小企業診断士の勉強のために研修に行かせていただいたことがあるんですけれども、それ以降、熊本の経済の活性化のためには、中小企業あるいは商店街全体のレベルアップが必要であると、そういう考えで取り組んできたところでございます。  しかしながら、バブル経済崩壊というような経済環境が大きく変化いたしまして、企業経営につきましても今までのような概念であるとか、経験であるとか、そういったものだけで経営が続けられると、そういう時代ではなくなってきました。景気変動を比較的受けないとされてきた熊本経済でございますけれども、近年は大きな波をまともに受ける時代になっております。  私は、今後の熊本経済の振興を図る上での基本認識というのを幾つか掲げまして、機会あるごとに職員に対して言い続けてきたわけでございます。例えばどんなことかといいますと、これは個別企業の問題でございますが、今後は環境問題がますます厳しくなるということでございまして、環境に配慮した企業経営が求められていく。これまでのように経済合理性の追求をするだけの企業であってはいけない、そういう会社は社会の共感が得られなくなるというようなことでございます。  それから2点目は、これは経済界との関係でございますけれども、国も地方も財政状況が厳しくなっております。これまでのように行政主導というような、そういうことが難しくなっておりますし、経済界との協調体制が重要であるということが一つございます。
     それからもう一点、まちづくりに関してでございますが、先ほどから都市間競争の話をされておりますけれども、地方の独自性発揮というのが求められておりまして、熊本の特徴をどう打ち出すか、熊本らしさをどう展開していくかというのが重要になってくると、こういったことでございます。ごくごく当たり前のことばかりでありますけれども、これまでこういった視点で政策を考えてきたというところでございます。  地元経済界にも今や若手のリーダー候補というのがたくさん育ってきております。大変頼もしい限りでございますけれども、今後さらに、地元には大学がたくさんあります。そういった大学の先生方、あるいは国とか大手企業の在熊機関といいますか、そういったところにも多くの人材がおられます。そういう人材を今まで以上に熊本に引き込んでいくということも非常に大切なことではあるんじゃないかと、そういうことを考えているところでございます。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  市長には、インターナショナルスクールの誘致につきまして今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。本市にとりましても大変ステータスな部分になるんではないかというふうなことを思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。  西山経済振興局長におかれましては、貴重な御意見でございます。ありがとうございました。  さて、地域経済の活性化につきましては、いろいろなアプローチがあろうかと思いますが、市としましては、今後厳しい財政状況が続いていくことを考えますとき、いかに市の税収を確保していくか、この観点から経済の活性化を論じるのが一番のポイントになろうかと思います。  本市の税収の構造を見てみますと、固定資産税と市民税が大半を占めます。固定資産税は中長期的に見ますと不動産取引に依存しておりますので、活発な経済活動が必要になりますし、市民税も所得にかかわるものですので、雇用の確保、そのためには同じく活発な経済活動が重要になります。  このような活発な経済活動となりますと、やはり本市はサービス産業型の地域経済でありますので、今回るる申し上げておりますように観光コンベンションや卸小売業、教育、医療産業などを活性化することが不可欠ではないかと思います。その際、経済は急速な勢いで国際化をしておりますので、単に地域経済だけを見るのではなく、広くアジア経済なども考慮に入れて対策を立てていくべきだと思います。  そこで、ただいま農業についてお尋ねいたしましたが、次に、都市間競争戦略の最後のテーマとして、広く国際化戦略全般についてお尋ねいたします。  本市には、御案内のように友好姉妹都市が3つあります。中国桂林市、アメリカサンアントニオ市、そしてドイツハイデルベルク市であります。これまではこの3市と経済、文化、教育、医療など幅広い分野で活発な交流を展開し、市民の国際理解に大きな貢献をしていると思います。幸山市長はこのような本市の外交面での財産も引き継がれたわけですが、この分野ではこれからどのような施策をとられるのかお尋ねしたいと思います。  大変恐縮で、少し時間がかかりますが、私の意見を申し上げさせていただきますと、交通機関や通信手段が急速に発展し、各国各地域との相互依存関係が大きく深まっている現在、本市の10年や20年後を見据えて、特に東アジア地域との連携を密にすることが大事であると思います。具体的には、北の方からロシアの沿岸地方、韓国、中国、台湾であります。このような国や地域とは何も従来の姉妹都市という手法にこだわる必要はありません。交流によって双方がメリットになる、そのような交流方法を模索すればよいと考えております。  例えば国内の他都市を見てみますと、友好姉妹都市のほかに港を介したポートシティーやビジネスを中心にするビジネスパートナーシップシティーなどいろいろな交流形態があるようであります。ということは、本市にとって交流のメリットは何かを十分に研究する必要があります。  そこで、このような観点から5点ほど私の考えを述べさせていただきたいと思います。  まず1点目には、本市は国際コンベンション都市を掲げておりますので、国際観光コンベンションの活性化の観点からいかに観光客を呼び込むか。これを相手都市選定の基準にすることもできると思います。平成14年中に本市を訪れた外国人を見てみますと15万人で、前年と比べて増加しておりますが、宿泊した外国人は3万6,000人程度で前年より減少しております。  政府は2010年に1,000万人の外国人観光客誘致を目標に掲げておりますが、それは日本には外国人観光という未開発の市場が残されているということを意味いたします。特に熊本などはもともと物価が安い上、最近のデフレでさらに物価が下降しているわけですから、地方都市もプラス材料になるわけであり決してあきらめることではありません。  次に、2点目として外国貿易の活性化から考えることも重要です。例えば韓国釜山、中国の大連など港湾都市、あるいは台湾の高雄などの港湾都市も新たな交流都市として魅力的であります。  さらに3点目として、本市の特性から考えますと、本市は医療産業と温泉や公園など、いやしの施設が集積しているまちと言えるかと思いますが、こうした特性を活用して、例えば上海や釜山など近隣の大都市を対象に、滞在型の誘客を実施したらいかがかと思うわけであります。  中国や台湾、韓国などは大変急速に経済発展しておりますが、第一線で働くビジネスマンには、その分ストレスを多く感じている人も増加していると思われます。糖尿病などストレスに起因する生活習慣病ではまさに数週間の滞在型で最新の医療を受けながら、よい習慣を取り戻すこともできるのではないかと思うわけであります。換言すれば、国際観光、医療産業の振興を目指して、本市の外交を展開することも考えられるのではないかと思っております。  また4点目に、反対に実利だけを追うのでなく、将来を見据えて青少年の相互理解の促進という面に重きを置くというのも一つの選択かもしれません。例えばドイツのハイデルベルクは、イスラエル、ロシア、イギリス、フランスというかつて対立した国の都市との交流を行い、二度と惨事が起こらないよう若者の異文化に対する理解を中心につながりを深めていると聞いております。  本市で申し上げれば、相手国として韓国があります。韓国とは2年前にサッカーのワールドカップを共催して話題になりましたが、韓国政府による段階的な日本文化開放政策により、テレビドラマや音楽など日本の大衆文化が韓国に徐々に浸透し、親日的な雰囲気もこれまで以上に広がっているようです。また、日本では韓国のテレビドラマ「冬のソナタ」が大当たりし、今、韓国は何かと話題性があります。  このような中で、次代を担う青少年を中心にした分野で、韓国の都市と交流を深めることは、両市両国の発展に資するものであり、本市が今選択すべき外交政策の一つであると思っております。  さらに最後に、5点目として別の観点からの外交も考えられます。それは国際貢献であります。確かに本市は近年台所事情が苦しいわけですが、お金をたくさん使わなくても国際貢献の道はあるのではないでしょうか。例えばこれまで中国桂林市の間では、河川の水質浄化や都市交通規制、農業技術普及などの分野で、本市の職員が知識や技術を伝えて、桂林市の都市問題の解決に貢献しています。  都市問題は世界じゅうどの都市も似通っておりますので、本市職員による国際貢献の道もあるのではないでしょうか。また、職員にとっても、そのような海外体験を通して世界レベルでの技術に関心を持ち、研究していく動機づけにもなると思います。  あるいはまた市民の中にも例えば定年退職はしたものの、まだ体が動く、身につけた知識や技術力を生かしたいという方もおられると思います。そういう方々の第2の人生をお手伝いするという意味でも、本市の国際貢献の施策が展開できるのではないかと思っております。  以上、本市の外交政策について、私の5つの提案について申し述べてまいりました。国際化を進める上で忘れてはならないことは、国際化は一方では子供たちに夢を与えることということです。本市は外国人による英語教育が盛んで、全国でも最も外国人教師の数の多い自治体の一つであると伺っております。この子供たちが将来、国際舞台で羽ばたくためにも外交政策は大切だと思います。  このように、産業振興や教育振興の面で極めて大切な国際化について、まちづくり戦略計画の中身はほとんど何も具体的なことは書いてありません。  そこでお尋ねでありますが、市長は今後これまでの姉妹都市施策を引き継いでおいきになるのか、あるいはまた違った施策を実施されるおつもりなのか、これらを含めて本市の国際化戦略についての基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま齊藤議員の方から国際化戦略について、その中で5点、いろんな角度から取り上げていただきましたが、観光あるいは貿易、いやし、また青少年の相互理解、国際貢献というさまざまな角度から私見も含めて国際化戦略について御提言をいただいたところでございます。私の考えも含めましてお答えさせていただきたいと存じます。  現在、経済、環境などさまざまな分野におきまして、グローバル化が進展しているところでございまして、地方自治体も国際社会を視野に入れた都市戦略を展開することが必要となってきております。  また近年は、貧困、暴力、環境など世界共通の問題に対する地球市民としての意識の高まりを背景にいたしまして国際交流の目的も、従来の友好親善的なものから国際協力や国際貢献に移っており、本市におきましても市民やNPOなどによる民間の国際交流活動が活発化してきている現状にございます。あわせまして、交流の成果を市民の目に見える形で還元することも一段と求められてきているところでもございます。  このような中、私は昨年の夏、本市の友好姉妹都市としては初めてドイツのハイデルベルク市を訪問したところでございまして、直接顔を合わせることが相互理解には不可欠でございまして、末永く交流を続けることが双方に大きな成果をもたらすと実感したところでもございますし、さらには、ことしは一番古いおつき合いでもございます中国の桂林市への訪問も実現したいと思っております。今後の国際交流につきましては、これまで以上に具体的な交流の効果が期待できる分野を重視しながら、引き続き姉妹都市との親密な友好関係を継続してまいりたいと考えております。  あわせて市民によるさまざまな地域との幅広い国際交流を行政が支援する形で、民間交流のすそ野を拡大し、本市の国際化を進めてまいりたいと考えております。  一方、対外的な国際化戦略といたしまして、熊本市のどのような魅力を海外に発信していくかということになるかと存じますが、先ほど御紹介いたしましたように、昨年市議会からも観光立市くまもと都市宣言をしていただいておりますように、観光都市としての本市の魅力づくりとその発信に努めたいと考えております。  特に、ソウル−熊本間の定期便の再開など、近年は韓国や台湾を初めとする東アジア地域からの観光客も増加してきておりまして、そのような観点から、一昨年、アジア太平洋地域12カ国24都市から成りますアジア太平洋都市観光振興機構に加入いたしますとともに、新たな観光交流の可能性なども検討しているところでございます。  また、2006年、本市で開催が決定しております世界女性スポーツ会議の成功に向けて取り組みますとともに、引き続き国際コンベンションの誘致など、本市の魅力発信に力を注いでまいります。  私は、今日のグローバル社会におきましては、市民の皆様お一人お一人が地球市民としての役割と責任を認識し、行動することが必要であると考えておりまして、国際化の取り組みを通して、国際人としての育成を図り、地球環境問題を初めといたしますさまざまな国際課題に対して、地方としての責任を果たしてまいりたいと考えております。  加えて、先ほど述べましたような観光を初めとする国際化戦略を進めてまいりますことで、地域経済の発展はもとよりでございますけれども、異なる文化との交流が市民生活をさらに豊かにし、また先ほどお話がありましたような、子供たちに夢を与えることにもつながると思いますし、まち全体の活気につながるものと認識しております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  ありがとうございました。  この国際化政策という分野は、国からの援助もない分、国からの干渉もなく、いわば市長の自由裁量が非常に大きい部分であります。そこで、幸山市長には、ぜひ思い切った戦略を立てて、実際に行動してほしいと思っております。  以上、これからますます激しくなる都市間競争という観点から4つの分野についてるるお尋ねをいたしてまいりました。  最後に締めくくりといたしまして、1つの提案をさせていただきます。  今回市長は、三位一体の改革の一つとしてまちづくり戦略計画を策定しておられます。それはそれとして結構なのでありますが、私はまた別に、国と本市の新しい関係づくりや他都市との競争を勝ち抜く人材育成などの観点を織り込んだ都市間競争、あるいは地域間競争に関する戦略計画をおつくりになられたらいかがでしょうか。  その際のポイントは時間軸であろうと思います。つまり今回市長が策定されたまちづくり戦略計画は向こう5カ年の計画であります。もちろんそれはそれで必要であります。しかし、10年後や20年後に時間軸を定めた計画も必要ではないでしょうか。20年後といいましても、そのとき幸山市長は、今の私よりも若いということでございます。まさに御自分の政治家としての集大成をしておられるときではないかと思っております。若く力もみなぎっている今のうちから、それに向けての構想をおつくりになったらいかがかと思っております。そういう意味からも、私は都市間競争、あるいは地域間競争に関する戦略計画を短期、中期、長期と分けておつくりになることをお勧めするわけであります。  最後の質問です。教育問題についてお尋ねいたします。  ことしの正月の地元紙に、日本人の情を取り戻す旅を続ける作家と題して五木寛之氏が取り上げられていました。御本人の言葉を引用いたしますと、戦後の日本はじめじめした戦前の湿式社会を嫌い乾式社会になった。人の心も乾いて軽くなった。瞬間芸のような笑いがはんらんしているが、人間の心身の活性化には涙を流すこと、思い屈することが大事だ。日本人は人情、友情、心情の情を忘れていないか。71歳になられる五木寛之さんはこのように語り、自分の人生を情という水の源を探し求める旅になぞられております。  私はこれを読みまして、改めて人間の原点とは何かに思いをいたしました。物があふれる日常生活の中で、何事にも便利に暮らしていますと、人情とか友情とかというものをついつい忘れてしまいそうな気がいたします。このことは、青少年の言動にも如実にあらわれてくるのではないかと思うのであります。最近の青少年をめぐる報道に接していますと、理解しがたい事件が多々あります。ことしの成人式でもそうでした。荒れる成人式、もちろん若者にも言い分があるのでしょうが、このような現象を見てみますと、古来より礼節を重んじる日本人の心が変わってしまったのではないかと心配になります。倫理道徳が漂流しているようです。  戦後50年間、自由と平等が提唱され、確かにそのおかげで国民が解放された面もありますが、自由と平等が行き過ぎた面もあるのではないでしょうか。明治維新以来、近代日本人を精神的に支えてきたものに教育勅語があります。もちろん、私はこの教育勅語を復活すべきとは申しませんが、その内容を見てみますと、この中には日本人が祖先から受け継いできた豊かな感性と美徳があらわされ、人が生きていくべき上で心がけるべき徳目が簡潔に述べられております。  例えば親に孝行をすることであるとか、夫婦が仲むつまじく生きていく、友と胸襟を開き信頼し合うなど、人間関係の基本に関することや、また勉学に励む、職業を身につける、そうした社会生活の大切さも説かれ、さらにはすべての人に愛の手を差し伸べることなどが書いてあります。  近年の社会を見ておりますと、私には我が国の倫理・道徳観がどんどん低下し、かわりに身勝手とも思える個人主義が台頭しており、このことが教育現場はもとより、地域社会、家庭におけるさまざまな問題の根幹になっているという気がしてなりません。  ハリウッド史上初めて武士道精神をテーマに据えた映画「ラストサムライ」は今大きな侍ブームを引き起こしているようですが、今こそ私たちは、かつての日本人のよさを再認識し、日本人として誇れる倫理観や道徳観をしっかりしたものにしていかなければならないと思う次第であります。  このような考えから、今回のまちづくり戦略計画を見てみますと、教育分野で少々お尋ねしたくなるような政策が掲げられております。それはターゲット2「子供たちが健やかに成長するまち」の戦略2「個を育む学校教育の推進」のところであります。  確かにおっしゃるように一人の個性や能力を伸ばす個をはぐくむ教育は必要であります。しかしながら、同時に社会があってこそ個人が生かされている面もあり、その点の教育もまた大変必要であります。市内を歩いてみますと、下通りや上通りに見られる若者の落書き、あるいは東バイパスなどに出現する暴走族、青少年の犯罪で特に多い他人の自転車を勝手に乗り捨てる行為など、本市でも常識では考えられない若者の行動があちこちで見られ、心ある市民はまゆをひそめ、暗い気持ちになっております。  そこで提案でありますが、「子供たちが健やかに成長するまち」をターゲットにするのであれば、戦略2「個を育む学校教育の推進」の次に、新たに戦略3として、「社会性を育む教育の推進」を入れるべきであると考えますがいかがでしょうか。  ここでは、例えば親と子、兄弟姉妹、夫婦の関係などを教える家族教育、あるいは知識や技術を習得し、きちんとした職業につくことの大切さなどを教える職業倫理教育、地球や地域の環境保全の必要性を学習する環境教育、さらに国際社会の一員として生きるために外国文化の理解や平和のとうとさ、国際貢献の大切さなどを教える国際理解教育などが含まれるように思います。  そこで教育長にお尋ねいたします。本市では倫理や道徳の教育はどのようになされているのでしょうか。また、近年の若者の問題行動を見て、どのような対策をとるべきだと思われているのか、また、まちづくり戦略3として、「社会性を育む教育の推進」を入れるべきという私の意見、見解をどう思われるかお聞かせいただきたいと思います。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  教育問題につきまして3点のお尋ねでございますのでお答えいたします。  まず1点目の倫理道徳教育への取り組みについてでございますが、学校における道徳教育は、各教科や総合的な学習の時間など、教育活動全体を通じて行うものでございまして、小中学校におきましては、そのかなめの時間として毎週1時間の道徳の時間を設けております。  この道徳の時間は、道徳的な価値の自覚を深め、道徳的実践力の育成を目指しております。例えば自分自身の生活を振り返り規律ある行動ができるようになるという内容の授業では、子供たちに身近な教材を作成して、事例をもとに自分の考えを出し合い、話し合うなどの活動を行っております。  また、本市で作成いたしました副読本の「未来を拓く 輝く熊本市の心」を活用した授業では、ハンナ・リデル、林市蔵等の先人の偉業を取り上げ、奉仕や郷土愛、人間の気高さを考える授業を行っております。  そのほか、今年度から取り組んでおります来て来て先輩におけるゲストティーチャーの活用、あるいは中学校におきますナイストライ授業などの体験活動を通して働くことや生きることなどについて考える機会を設けております。  しかしながら、近年、命を大切にする心、あるいは社会性の育成などが十分でないとの指摘もなされております。そういう意味で、道徳教育の重要性はますます高まってきているというふうに考えます。  そこで平成16年度におきましては、さきの第4回の定例会の中でも答弁いたしましたけれども、道徳教育推進委員会を設置しまして、いろいろな課題を明らかにしますとともに、その解決に向けての対策を検討することにいたしております。  次に、2点目の近年の若者の問題行動への対応についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、近年とりわけ一部の若者の言動には目に余るものがあり、幼いときからしっかりした倫理観や道徳観を身につけさせていかねばならないという思いは私も同じでございます。  しかしながら、一方で模範となるべき大人自身が、一例を申しますと、学校に侵入しての殺傷事件、あるいは児童虐待等、さらには教員自身の不祥事などモラルが低下しており、今の社会全体に子供を真正面からきちんと見詰めることができないというような状況にあるんではないかと思います。若者の言動というのは、このような大人社会を反映したものであり、今まさに私たち大人自身が襟を正し、学校はもとより家庭も地域社会も子供の自立を促進し、教え導く場として大人全体が今まで以上に自覚し、行動することが肝要ではないかと思っております。  本市におきましては、熊本市青少年育成計画をもとに、地域における人や自然と触れ合う活動、体験などを通して、豊かな人間性をはぐくむための機会や環境づくりなどに取り組んでいるところでございますが、今後もさらに進めてまいりたいというふうに思います。  3点目のまちづくり戦略計画に「社会性を育む教育の推進」を盛り込んだらどうかというお尋ねでございますが、社会性をはぐくむということは、集団で学び合う学校の根幹をなすものでございます。学校は知識を授けるとともに、たくましく生き抜くための心身を鍛え、多様な人々とともに生きることを学ぶ場でございます。いわば実社会のミニチュア版とも言えるわけでございまして、実社会へ出るための訓練として、集団生活として友達や先生とかかわる中で、他人に対する思いやり、あるいはみずからを律する心、さらには社会規範など、人間としての基本的なものを培っていくものでございまして、それは人として当然はぐくまなければならないものであるというふうに認識いたしております。  したがいまして、御提案の「社会性を育む教育の推進」につきましては、人間育成の基盤となるものであり、いつの時代でも変わらない不変的なものとして、全力を挙げて進めていきたいというふうに考えております。今後とも保護者や地域の皆さん方と連携を図りながら、教育委員会としてより創意工夫を凝らし、心豊かでたくましい子供たちをはぐくんでまいりたいというふうに考えております。          〔13番 齊藤聰議員 登壇〕 ◆齊藤聰 議員  時間も12時近くなっておりますが、我が自由民主党、今回1人でございますので、ちょっと時間を多くいただきたいと思います。お許しをいただきます。  大変ありがとうございました。  幕末の日本で郷土の先覚者横井小楠先生は、米国留学に旅立つおいに送った詩の中で、東洋の思想を基本に西洋の科学技術を生かせば、単に富国強兵だけでなく道徳と倫理でも世界に範を示せると説かれたということであります。これは、いわゆる富国有徳の思想として有名でございますが、私はぜひ横井小楠先生が生まれ育ったこの熊本市を再び有徳のまちにしたいと、このように考えるものであります。  そういう意味から申し上げますと、教育委員会におかれましては、単に成績がいいという個人の能力を伸ばすことだけを目指すのではなく、加えてさらに社会性も豊かな人材の育成にも力を入れてほしいと思うわけであります。  近年、教育をめぐってはさまざまな課題が指摘されております。昨年度から国の教育改革も始まりましたが、各界からの批判を受け、すぐさまゆとりと学力のはざまで改革の根本が揺らぎ始めるありさまであります。本市でも新たに30人学級が試行されておりますが、先生が一人一人の子供に接する時間がふえる反面、子供同士の切磋琢磨の機会が減るなどの弊害も指摘されております。  こういう状況でありますので、教育委員会におかれましても、政策的に大いに迷い、悩まれるかと思います。それはよくわかりますが、私は今こそ教育の根本に立ち返り、教育を構築し直す作業が求められていると思います。その根本は家庭教育であります。そこから地域での教育、さらに学校教育と積み上げていく必要があると思います。  そういう中で、私には先ほど申し上げました「社会性を育む教育の推進」がどうしても欠けているのではないかと思い、その重要性を訴えさせていただきました。どうぞ一つの参考意見としてお考えいただければ、大変幸いに存じます。  以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。私にとりまして初登壇となる一般質問でありましたが、私が日ごろから接しております市民の皆様の声や私の思いを少しでも届けることができたものと思っております。  先輩議員並びに執行部の皆様のおかげによりまして無事この大役を果たすことでき、大変感謝しているところでございます。今後とも微力ながら市政の発展に力を注いでまいることをここにお誓い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御答弁いただきました幸山市長初め執行部の皆様、また長時間にわたり御清聴いただました議員各位、そして傍聴席の皆様に心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○竹原孝昭 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                           午後 0時01分 休憩                           ────────────                           午後 2時00分 再開 ○落水清弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  質問を続行いたします。田尻将博議員。          〔36番 田尻将博議員 登壇 拍手〕 ◆田尻将博 議員  こんにちは。午前中に引き続きまして、きょうは大物ばかり出てくる日でございまして、午前中の大物、午後の大物、市民連合の田尻将博でございます。  ちょうど1年3カ月前、12月に私、質問をいたしました。そのときは平成クラブでございました。今回は名称も変わりまして市民クラブということで、その節は大変お世話になりました。同じ間違えるような名前の市民連合と名前をつけまして、とうとうえんかうちになってしまったような気がいたすところでございます。  私は、幸山市政が誕生いたしまして1カ月後の12月ということで質問をさせていただいたわけですが、そのとき覚えておるのが、ただただ抵抗勢力ではなかですばいという話をした記憶がございます。その後、私も選挙という洗礼を受けまして、四たびこの席に帰ってまいりまして、新しいスタートということで、今10名会派の市民連合にお世話になっておる次第でございます。ここでは1年生でございますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。  また、今回初日の午後ということでございますが、久しぶりに第1日ということになりますので、内容についてはダブることがほとんどないということでございましたが、やっぱりほとんどダブっております。しかし、この時期に議場に立たせていただきました同僚議員、そして先輩議員の皆さんに感謝を申し上げたいというふうに思います。  本日の内容はほとんど市長答弁でございまして、たった一つ、社会体育課の関係で教育長がちょっと立ってきますが、それ以外の局長は何もありませんので、どうかあすからのエネルギーをぜひとっておいていただきたいというふうに思います。そのかわり、先ほど齊藤議員は青年市長と言われましたので、青年市長にはファイトも力もエネルギーもありますので、どうか長時間にわたるかどうかわかりませんが、おつき合いのほどをよろしくお願いして本論に入っていきたいと思います。  まず、国の三位一体の改革につきまして、市長の見解をお聞きしたいと思います。  今、国会の内外では大変重要な状況下であります。国の外交、安保政策を左右しかねない自衛隊のイラク派遣承認、有事法関連の住民避難のための国民保護法、拉致を含む核疑惑の北朝鮮問題などなど、また年金制度改革、地方制度改革、郵政・道路4公団民営化法案など、そして国民に直撃する三位一体改革の予算、地方財政計画は、私たちの暮らしに直結する重要法案が現在審議されております。  そして日常的に発生する事件も多く、特に食の安全から国民の生活を脅かすBSE問題、鳥インフルエンザ事件、生活不安を醸成する個人情報の相次ぐ漏えい事件、そして架空請求などの金融事件もあります。少年犯罪の低年齢化などの急増は政治の責任と言っても過言でないと思います。  21世紀を迎え、今まで以上に政治の責任は甚大であると思います。日本は、超スピードで押し寄せる国際化、経済成長の鈍化、税収不足、長期債務、少子高齢社会の到来、そして犯罪の増大など大波はとどまることなく押し寄せています。
     政府は昨年6月骨太方針第3弾を発表しました。その方針は持続的経済成長の実現に向けた構造改革をさらに推進するため、国と地方の改革や規制改革、社会保障制度改革など7つの改革であります。  詳しい内容は省略しますが、国と地方の改革は三位一体の改革で、国と地方の明確な役割分担に基づく事務事業等を徹底的に見直し、国庫補助負担金は4兆円程度廃止、縮減する。そして地方交付税はその財源保障機能を全般的に見直し、平成18年度までに縮小、地方への税源移譲は基幹税の充実を基本として削減する。また、補助金の8割程度を目安に移譲、義務的経費は徹底的な効率化を図った上で全額移譲することとなっています。  16年度予算の基本的な考え方として、地方財政は三位一体改革を推進し、地方財政計画規模の抑制に努めるとともに、引き続き交付税の算定方法を見直すとしました。すなわち小泉内閣の三位一体改革のねらいは、地方の自立を促すための補助金を減らし、地方交付税も見直し、そのかわり税源を地方に移すことを一体的に進めるという改革であります。  つまり我が国の政治や行政の病根である明治以来の中央集権官僚システムを根本的に改革して、地方分権を進めようというのが三位一体改革の目標であると思います。地方分権を推進するための地方分権一括法が平成12年4月施行され4年がたちましたが、地方分権社会の姿は全然見えてきません。それは分権一括法で自治体の権限は強まりましたが、それに見合う金が国から地方に移らなかったため、自治体が財政面で自立できず、依然として国依存の構図が変わっていないためであります。  よく言われるように、地方は全体の仕事量の60%を受け持っているのに、税収は40%しかなくて、足らない分は国から交付税や補助金として地方に配られています。言いかえると、交付税や補助金なしに自治体の仕事は成り立たない仕組みになっているのです。この仕組みによって、国は補助金などで自治体をコントロールしてきたし、自治体も補助金がつくからと安易に公共事業を行ってきました。  その結果、歳出は年々膨張して、国と地方の借金は今や合計で719兆円であります。補助金や交付税を先に削るという国の財政再建の地方へのしわ寄せは、地方交付税と補助金の削減に相当する財源を地方に移譲するのは当然であり、税源移譲が前提で改革の中心に位置づけなければなりません。税源移譲が実現して初めて地方自治体が自前の財源を主体にした財政運営をすれば、行政サービスの受益と負担の関係が明確になり、限られた財源の配分の工夫によって効果的な政策展開が可能になると思います。  これによって国の意図するままに、余分な公共事業が全国各地で繰り広げられている現状を変え、地方自治体が補助金や先食い交付税を当てにして、必要でもない事業や箱物を建設するという放漫財政運営を改めることにもなると思います。  そして住民は税金の使われ方に関心を払うようになり、むだな支出がなくなり、結果的には国も地方も財政再建につながることになります。地方自治体は、住民の身近で多くの事務事業を担当しているにもかかわらず、権限、財源のいずれも不自由な立場に置かれています。国の三位一体に対し、全国知事会や市長会は猛反発しています。国の三位一体の改革に対する熊本市長としての見解をお尋ねします。  引き続きまして、市長の市政改革と政治姿勢についてお尋ねいたします。  なぜ今改革か。国の構造改革の推進は、国際競争下であらゆる分野の規制緩和、自由化が進み、日本全国で、第1次産業を初め、民間企業も超スピードで構造改革をしなければ生き残れない経済状況であります。絶対安全だった金融、通信、電力、ガスなどなどのライフライン企業も大波の渦の中であります。  御承知のとおり、この照明も実はよその電力会社から送られてきております。ほとんどの方が知りませんけど、だから若干暗いんじゃなかろうかと思っておりますが。  その改革はリストラや配転、事業所閉鎖、最悪は倒産という厳しい状況下で大幅な企業改革が進められています。聖域である公務員職場での改革は市民生活に直結し、改革への取り組みは大変厳しい状況と思いますが、市政にもなぜ改革が必要なのか。そしてその改革が一歩でも二歩でも進むための継続、継承が必要と思います。  そして改革には意識面と執行面の二面性があると思います。意識面はまず1つ、徹底した情報公開、2番目により以上の市民福祉の向上、3番目に広い視野に立った職員の総合力の結集、4番目に情報の共有化などなどでございます。そして執行面は、1つ、重要課題の設定とその達成、2番目にスピード重視と優先順位、3番目に事業の効率化と思います。そして改革の理念は、1つ、信用を培い維持する、2つ、市民を原点とする、3つ、費用対効果を高めるなど考えてみました。  そこでお尋ねでございます。  改革の必要性と改革に対する継承の方法について、次に、改革の理念について、次に、市政改革に伴います職員意識の高揚、埋もれた行政資産の活用、そして株式会社熊本市としての収益性の追求について、次に、市長の改革の決意が職場職員の意識改革となり、職場のより一層の効率化が達成されることと思いますが、市政改革の市長の決意は、全職員、外郭団体職員ほか、関係者全員へ発信されましたか。その方法等について、以上市長の見解をお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま国の三位一体の改革について、さらには市政改革について御質問をいただきましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、国の三位一体の改革についてお答えいたします。  先ほど御紹介もありましたが、国の三位一体の改革、国庫補助負担金の廃止とそれに伴う税財源の移譲、地方交付税の改革、これらは本来国の地方に対する関与を縮小し、地方は自己の責任と権限で独自の事業展開を行い、その適切な行政水準を確保していくという地方分権を推進する観点からの取り組みであるといった基本的な認識を持っております。  そこで、今回の地方財政計画で示されました改革の内容を見てみますと、まず公立保育所運営費等の国庫補助負担金を削減し、それを所得譲与税創設という基幹税である所得税の一部を地方に配分するということが示されておりまして、この点につきましては一定の評価ができますものの、これは暫定的な措置で、本格的な税源移譲とは言えないものでございまして、さらに補助金の廃止に伴う法令等の基準緩和が追いついていないなどの指摘もありまして、今後の動向を注視していくことが必要であると考えております。  また、地方にとって大きな影響を与えました地方交付税の削減につきましては、平成15年度には17兆円台にも達しました地方の財源不足の縮小等を図りますために、地方歳出の総額の抑制を行うもので、確かに地方が責任ある自治体として効率的な行財政運営を行いますことは重要なことであり、本市においても、このような観点も含めて行財政改革推進計画の策定に取り組んできたところではありますが、今回の措置は、余りにも唐突に急激な削減がなされましたために、地方の財政運営に大きな打撃とさらには混乱等を与えるとともに、またその将来の見通しも明確な方向性が示されていないなど、地方自治体にとりましては大きな不安をもたらす措置であったと受けとめております。  今後、平成18年度までの国の改革と展望の期間内におきまして、さらなる改革が進められることも想定されるわけでございますが、単に国の歳出削減が先行するようなものとならず、本来の目的である地方分権が推進され、地方自治の確立に向けたものとなるよう国に対し、全国市長会等を通じまして積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  続きまして、市政改革に関する御質問についてお答えいたします。  本市を取り巻きます状況でございますが、現下の厳しい財政状況に加えまして、今申し上げました国の三位一体改革により、地方交付税を初めとする地方財政制度の大幅な見直しが進められておりまして、本年度、本市の地方交付税及び臨時財政対策債の予算額が前年度に比べまして55億円強の大幅なマイナスとなりますなど、今後の財源確保の見通しは一層厳しさを増してくるものと認識しております。  その一方におきまして、少子高齢化や地方分権への的確な対応や九州新幹線の全線開通等をにらんだ都市基盤の整備など、本市が取り組むべき課題は山積しているところでございます。  これらの状況を踏まえまして、スリムで合理的な行政体制の整備と財政の健全化を目指しますとともに、その過程によって生み出した人員、財源等の行政資源を本市が今取り組むべき政策課題に、戦略的、重点的に投入していくことが必要と考えまして、今回の市政改革に取り組んだところであり、今後改革の具体的項目をできる限り早く実行に移していくことが重要であると考えております。  先ほど議員より、市を株式会社に例えられました上で、収益の追求が必要であるとの御指摘がございましたが、ある意味、顧客とも言える市民の福祉の増進を図りますために、最小の経費で最大の効果を上げることが行政としての収益の追求であるといった認識を持っております。  そこで今後、改革を具体的に実施し継続していくに当たりましては、業務棚卸の導入や、さらには行政評価制度のさらなる充実など、市民の視点で常に費用対効果を念頭に置きながら、行政サービスの質的向上を図るための新たな仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  また、あわせましてこの改革を真に実効あるものとしてまいりますためには、職員一人一人が市政を取り巻く厳しい環境や改革の必要性をみずからの課題として認識し、使命感を持ち、主体的に取り組むことが重要であります。そのような観点から、昨年4月、職員約2,400名に対し、私の方から改革の必要性について直接話をいたしましたほか、市政改革本部あるいは同幹事会等における幹部職員との再三の議論、また日ごろなかなか会話をする機会が少ない若手中堅職員とのブレックファーストミーティングや市民センター等の出先機関職員とのイブニングミーティング、さらには各階層における職員研修など、さまざまな機会をとらえまして職員との直接対話に努めてまいったところでございます。  今後も、職員との積極的な対話、議論の機会を確保しながら、市政改革に向けた職員一人一人の意識改革と組織全体の機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  国の三位一体の改革が本当に全国の市町村に大変な影響をもたらしております。県下でも御所浦、天草中心に小さな町村では確かにもう金がないと、もうあと削るところは人件費のみというような状況でございます。国がどう変わっていくかなかなか見きわめが難しいと思いますが、本市ではさらなる努力をお願いしたいというふうに思います。  市政改革につきまして4項目ほど述べていただきました。新たに業務棚卸──行政評価につきましてはこれまでもあったかと思いますが、業務棚卸という新しい言葉も出てまいりました。民間企業も大変な状況でございますが、民間企業と変わらず、行政も精いっぱい御努力をお願いして、次の質問に移りたいと思います。  次に、市長と議員の任務と権限についてお尋ねしたいと思います。  当たり前のことですが、議会というのは市長対議会の構図で、両者が火花を散らして政策に賛成するか反対するかで動いていかなければ、市政の発展は期し得ないと私は思っています。  市長の与党だから、野党だからと言いますが、国会であれば議員内閣制ですし、政党の政権争奪の場ですから、はっきり与党と野党に分かれますが、地方は首長も議員も選挙によって選出される、いわば大統領制でございます。議会に与野党はないはずです。選挙のときに首長を推薦したから与党だ、別の候補を推薦したから野党だという人もいますが、議会は首長の従属機関でも反対機関でもありません。首長と対等の住民基調の審議機関なのです。たとえ首長を推進した、反対したという議員でも、住民の政策に基準を置いて、住民代表として賛成や反対を決めるのが基本であるべきと思います。  予算は行政運営の基本をなすものですから、自治法には予算編成権と議会への提案権は長に専属させており、議会にはそれを議決する権限を与えられているのです。これは三権分立制度の基本でございます。  私たち議員は大別して3つの任務があると思います。1つ、議案を審議し賛否を決めること、2つ、行政を監視、チェックすること、3番目、住民、自分の政策を行政に反映すること、そうすることで住民福祉を向上することとなります。  議案というのは、議会の議決を得るために議案にしなければならないかは、地方自治法第96条に示されています。そしてそれを議会が議決しなければ長はその議案を執行できないのです。このことはわかり切ったことのようですが、長が予算を持ってそれを使おうと思っても、議会が決定しなければ使えないのですから、議員は非常に大事な任務を背負っていることになります。  市長は予算編成はもちろん、行政の基本的執行権という絶大なる権限が与えられています。市長、議員の共通は、住民の福祉向上の追求と、住民に対して責任を負うことです。対立、対等の立場を堅持しつつ、チェック・アンド・バランスで運営、そして是々非々の態度こそ本命と思います。首長と議会の関係については、3歩も5歩も離れていることが大切であると思います。密着していると、灯台もと暗しの例えのように、首長の言ってることはよくわからず、何もかもよく見えて批判することができなくなります。離れているために灯台の光が美しく見えるように、首長の行動が美しく見えたり、時には高慢に見えたり、汚く見えたり、事のよしあしを判断する材料が的確に把握することができます。  一方、余り離れ過ぎると、今度は反対のための反対、批判のための批判の態度になって、これも許されないことであります。地方行政は住民のための福祉向上、生活環境の整備が任務であって、そこに争いごとや対立など予想し得ないからであります。  そこで市長と議員の任務と権限について、私見で結構でございますので、市長の見解をお願いしたいと思います。  続きまして、市長の議会対策についてお尋ねいたします。  社会的にも政治的にも説明不足や説明責任という言葉が、事案や事件の先導的役割を果たしています。本市も市政運営を目的に、執行部による事前説明や全員協議会が存在します。ことしに入り2回の全員協議会が開催されました。ともに本市にとって重要な施策と予算でありました。  また、議会軽視という言葉が数多く聞かれるようになりました。この言葉は議会から発する言葉であります。一般にこの言葉は、専決処分が多くなってきたときで、首長と議会が近づき過ぎたときと言われています。火のないところに煙は立たないというように、議会軽視という言葉がひとり歩きしていること自体を厳しく受けとめなければなりません。  私は、私どもみずからが従来の慣行を引きずり、勉強不足のまま議会軽視という種をまき散らしているのではないかと反省することがあります。市長も議会軽視という言葉を重く受けとめていただきたいと思います。市政運営の重要課題は情報の共有化であります。  そこで、議会対策について事前説明と全員協議会の役割、そして説明責任の範囲について市長のお考えをお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま市長と議員の任務と権限について、さらには私の議会対策についての2点につきまして御質問がございました。午前中の答弁と重なるところがあるかと存じますが、御容赦いただきたいと存じます。  まず、1点目の市長と議員の任務と権限についてでございます。  ただいまお話がありましたとおり、地方自治体におきましては議員内閣制の国とは異なりまして、それぞれ住民の直接選挙で選出されます首長と議会という2つの代表機関が存在しております。  その基本的任務や権限につきましては、これも御紹介ありましたように、首長は自治体の統括的な代表者として執行部をまとめ、事業、施策や必要な条例等を立案し、予算編成を行い議会へ提案するとともに、議決をいただいたものにつきましては、速やかに執行し、適正に管理していく役割を担っておりまして、そのための必要な権限が付与されているものと考えております。  また、議会は執行部に対しまして、予算、条例制定・改廃、重要な契約の締結などの議案を審議、議決するとともに、その審議を通じて政策提案などを行い、また執行機関の事務が適正に執行されているかを監視する役割を担っていただいておりまして、議決権や監視等の権限が付与されております。  このように地方自治体におきましては、いわば二元的な代表制をとっておりますが、これについては市長を議会から独立させ、地方行政の能率的、効率的な運営を図るとともに、一方におきましては、議会に対して行政に対する議決権、監視権を持たせ、公平な行政を推進するものであり、地域住民に密着した業務を行う地方行政の特性に基づき、より直接住民の意思を反映させるために、このような制度がとられているものであるととらえております。  次に、2点目の議会への事前説明と全員協議会の役割、さらには説明責任の範囲についてでございます。  先ほど申し上げましたように、市長と議会とは互いに地域住民を代表する機関として対等な関係に立ち、それぞれに異なる機能と役割を認め合い、活用しながら自治体の意思決定と運営を行っていく責任を負っております。  特に、本格的な地方分権時代が到来する中で、地方には今自己決定、自己責任が強く求められておりまして、議会と市長に課せられた責任は格段に増してきているものと認識しております。  このようなことから、午前中、齊藤議員の質問にお答え申し上げましたように、執行部と議会とが公の場で建設的な議論を展開することで信頼関係を構築し、市政発展に取り組んでいくことが望ましい関係であると考えておりまして、その議論の前提として、執行部と議会とのさらなる情報の共有化が必要であるといった認識をいたしております。  こういったことも踏まえまして、市議会全員協議会はその重要な場であると考えておりまして、昨年10月には市政改革プラン中間報告を行い、また先日は新年度予算案はもとより、パブリックコメントの結果や市政改革プランの最終案につきまして御説明させていただいたところでございます。  今後、本市といたしましては、さらにわかりやすい資料の作成とできるだけ早い段階での提供に心がけながら、全員協議会はもとより、常任委員会、各会派の政調会などさまざまな場面におきまして、議会との情報の共有に努めてまいりたいと考えております。  説明責任の範囲についてでございますが、議会も市長も住民から直接選出されますことから、公の場での活発な議論を展開し、それぞれの立場で住民に対する説明責任を果たしていかなければならないところであります。そこで今後より一層、先ほどと重複いたしますが、議会と執行部との情報の共有を進めますために、必要な資料の提供、さらには丁寧な説明に心がけてまいりたいと考えております。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  なかなか質問内容が抽象的で難しいなと思いながら私もつくってみましたけど、聞いておる側としてもやっぱり難しいなというふうに思いました。  一つ例をとりますと、市長のこの三位一体熊本市の行政改革につきましては、いろいろな県、市の改革的な首長さんがいらっしゃるわけでございますので、その方法を取り入れてやっておるというふうにも伺います。その中で横浜市の中田市長の話をちらっと聞きまして、ホームページでいろいろな横浜につきまして見ましたところ、そうかなという部分がございました。  そこで中田市長という人は議会対策はどぎゃんしよんなはっとだろうかということで、またある中田市長の友人の方にお聞きしましたところが、日本一上手そうでございます、議会対策が。どういうところが上手かはわかりません。具体的にはわからんですが、やっぱりあれだけの三百数十万人の市民のトップリーダーとして、あれだけの行政改革を相当なスピードでやっておると、しかし、100人近い政令市の議員でございますのでいらっしゃるわけですが、そのガタガタはいっちょん聞こえてこん。これは何かというと、やっぱり中田市長の人間性にあるかもしれませんが、ぜひ機会があれば横浜に行っていただいて勉強してきていただきたいと思います。  そこで、我々会派要望書ということで、これは全会派出されております。その会派要望書に対する市長の取り扱いについてお尋ねしたいと思います。  私どもくまもと市民連合、そして各会派も同様、毎年市政に対し政策提言活動と予算に対する要望活動を行っています。その成果は市政執行に陰になりひなたになり生かされていると思います。私どもくまもと市民連合の政策の構築は、社会の情勢や法律改正、新規事業や市民に及ぼす影響等を基本に、市政運営に欠かせない職員代表、勤労者団体代表、福祉団体代表、政党代表、高齢者代表など各団体とのワークショップを設け、意見を聴取し、それに前年度政策提言の進捗状況、継続事業の継承などを付加し、会派会議でまとめ上げております。  今回は昨年10月20日、21日の両日、236項目に及ぶ平成16年度の政策及び予算について各局とヒアリングを実施し、各局の考え方を聴取し、それを受け11月21日、236項目の政策及び予算要望を幸山市長に提出しました。236項目に及ぶ要望書、政策提言の取り扱いについて市長の考え方をお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  会派要望書に対する考え方をということでございますので、簡潔にお答えしたいと思いますが、議員がお述べになりましたように、くまもと市民連合初め各会派より予算編成を前に御要望いただいているところでございます。くまもと市民連合さんからは、今お話がありましたように236項目に及びます要望、政策提言をいただいておりまして、その内容は、市民の身近な問題から国際社会における自治体のあり方、使命に至るまでさまざまな観点からの多岐にわたる御指摘、御要望でありまして、市政を運営していく上で貴重な御提言であると認識しております。  そこで、このような御提言に対しましては、本市の政策立案や予算編成に生かしてまいりたいと考えておりまして、いただきました後に庁内でもさまざまな議論をしたところでもございます。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  236は多過ぎばいという話もございました。私も数ゆっとにおおごつしました。しかし、我々、皆さんの会派もそうでございますが、先ほども言いましたように、議員は政策を提言するという大きな権利でもあり義務でもあるわけですので、ぜひ我々はやった、やったら返していただく、協議だけではなくて、ぜひいろいろな形で角度を変えればいいアイデアも提言になっておりますので、ぜひこれからも来年度、再来年度に向かって取り扱いの方をよろしくお願いしておきたいと思います。  そこで、三位一体の市政改革、熊本市の改革でございます。市政改革の三位一体に対する我がくまもと市民連合としての考え方について述べさせていただきます。  将来展望に立ち236項目の政策及び予算要望を幸山市長に提出しました。その内容は大きく9つのテーマにわたり、福祉や環境などの生活者優先の施策に転換を迫るもの、地方分権、市民自治の改革を基本にかなりハードルの高い要望項目も設定いたしました。地方分権が進められる中、公共サービスの担い手は、行政、市民、NPO、民間事業者などの協働によって公共性を構築していく必要性は認識せざるを得ません。厳しい財政事情の中で、中長期、そして次世代へ責任を持って行動するためには、市政改革、三位一体の改革は避けて通れないものです。真の市民参加の改革を基調に、議会における慎重審議を踏まえた改革であるべきだと思います。  そこで、市政の発展と市民福祉向上の立場で、最適な地域公共サービスの提供のため、政策目標に合致した市民サービスの質の確保を優先することを第一に、三位一体の市政改革を推進の立場で対応することとします。今述べました内容が、私どもくまもと市民連合の市政改革に対する基本的な考え方でございます。  次に、本市も熊本市総合計画、中期財政改革、行政改革プランを掲げ、各局にて行政改革にこれまで取り組んでこられました。しかし、国の三位一体の改革のスピードは早く、財源不足の地方自治体に交付税の減額という大なたを使い、地方自治体のあり方論まで覆す大反響となっています。  平成14年11月、新市長交代と同時に、ガラス張りの市政「情報公開と住民参加」ガラス張りの市役所「市民の視点で構造改革」政令都市を目指した「新しい熊本市へ」を市民との約束に掲げておられます。そして1年、協働のまちづくり市民会議でのワークショップ、記者会見、全事業のゼロベースでの見直し、パブリックコメントの実施、満足度調査などをベースにハードルの高い三位一体の行政改革をまとめ上げられました。長時間にわたる職員の労力に対し敬意を表したいと思います。  そこで、本市の三位一体の市政改革は、国の交付税や補助金の減額措置で、平成16年度の予算並びに来年度以降の影響についてお聞かせください。  次に、三位一体の市政改革予算編成についてお尋ねします。  最初に、本市がこれまで実施してきた総合計画、中期財政改革、行政改革プランがあります。これらの延長上に、新市政改革三位一体が位置づけられています。  そこで、平成15年度までの総括的な評価と位置づけについて、次に、今年度予算編成に当たってのまちづくり戦略計画に対する予算配分の基本的考え方について、さらに今回の予算編成の工程が議会や市民に公開されました。その中で予算要求査定ゼロ円が1割ありました。また逆に要求以上の増額査定もありました。  このゼロ査定事業の今後の取り扱いについて、また今回の予算編成では全事業の全項目をゼロベースからの積み上げと聞いております。その査定方法は、市政改革下の一つの手段と思います。ゼロベースの考え方と今後の予算編成について、以上4項目についてお尋ねします。  次に、三位一体市政改革による熊本市の都市ビジョンについてお尋ねします。  市長は10年後に迫った九州新幹線の全線開通などをにらみ、九州中央の拠点都市にふさわしい都市機能の充実を図るとともに、次代を担う子供たちの健やかな成長への支援、福祉の充実や地下水を初めとした環境保全などに重点的に取り組むとともに、喫緊の課題である雇用対策や地場経済の活性化に経済界と連携し取り組み、個性豊かで活気あふれる新しい熊本づくりを進めますと、市民との約束第2版で述べられております。  前々市長は熊本市を九州の雄都と表現されました。そして政令都市に向かっていろいろな施策を実行されました。前市長は九州の拠点都市としての表現をされ、その言葉は今も熊本市の描く像として使われています。拠点とは、政治の拠点、交通の拠点とか人がよりどころにするとか、すばらしい語句には間違いありませんが、どこの地区でも使用され、強烈性に乏しく感じます。  私は将来の道州制を見据えた、また政令市を目指す新熊本の代名詞は、州都熊本の名称が一番ふさわしいと思います。州都熊本です。早くうちが打ち上げて登録することが一番大事ではなかろうかと思います。ぜひ市民の皆さんの喚起を促す一助として、新熊本市にふさわしい語句の大募集をしていただきたいと思います。政令都市に向かっての市民の意識も一段と盛り上がることと思います。ぜひ市民挙げて考えてみましょう。  そこで、市長として熊本市が目指す都市像についての考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  市政改革につきまして大きくは2点、さらには三位一体による熊本市の都市ビジョンについてということでお尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  まず、国の三位一体の改革に伴います本市への影響額についてお答えいたします。今回の地方財政計画の中で、平成16年度における三位一体の改革の姿といたしまして、国庫補助負担金の廃止及び一般財源化に伴う所得譲与税の創設、さらには地方交付税等の削減措置が講じられております。  本市への影響額を予算をもとに試算いたしますと、廃止されます国庫補助負担金の影響額といたしましては、公立保育所の運営費、介護認定審査会関係経費など、現時点で把握いたしております分で約8億9,000万円、昨年先行して廃止された補助が約3,000万円でございますので、合わせて約9億2,000万円の影響ということになります。  また、この補てん措置である所得譲与税につきましては、国の予算額4,249億円が、2分の1を都道府県、残りの2分の1を市町村に人口割で配分されるとされておりまして、これで試算いたしますと約11億円の収入が見込まれるところであります。このように、国庫補助負担金の廃止とその補てん財源でもあります所得譲与税については、おおむね整合性がとれるものと考えております。  さらに、地方交付税関係におきましては、前年度予算から単純に推計いたしますと、まず地方交付税がマイナス6.5%で25億5,000万円、臨時財政対策債がマイナス28.6%で29億6,000万円、合わせまして約55億円のマイナスになると試算いたしております。これは先ほどの答弁でも申し上げたとおりでございます。  以上が平成16年度における国の三位一体の改革の本市への影響額でございますが、この改革の推進に関します国の今後の方針が未確定でございまして、将来の本市への影響額につきましては現段階でお答えすることは困難でございますが、この改革の動きは本市の財政運営に多大な影響を与えますことから、今後とも国の動向に十分注意を払ってまいりたいと考えております。  続きまして、市政改革と予算についてお答えさせていただきます。  今回、市政改革により見直しを行いました3つの計画につきまして、それぞれの位置づけとこれまでの成果、そして見直しの基本的な考え方について申し上げます。
     現在の第5次総合計画におきましては、平成12年3月に議決をいただきました基本構想に基づく平成22年までの総合的かつ計画的な市政運営の指針でございまして、以前の総合計画と比べ財政計画との整合などより実効性の高いものとして策定され、現在までこれに基づき具体的な施策展開を図ってまいりました。  また、行政改革につきましては、平成8年に行政改革大綱を策定し、第1次計画で50億円、第2次計画でさらに30億円の経費改善、また6,500人体制の実現による職員数の削減などを進めてまいりましたが、いまだその取り組みが十分とは言えないところもあることかと認識いたしております。  中期財政計画につきましては、公債費比率が20%を超えるという厳しい財政状況の中で、5年間を計画期間とした中期的な財政運営の指針として、平成10年以降毎年策定し、その結果、市債残高、公債費比率ともに改善の傾向を見せているところであります。  このようにそれぞれの計画におきましては、いずれも本市における計画的な行財政運営を進めていく上での基本的指針として一定の役割を果たしてまいりました。  しかしながら、長引く景気の低迷による市税収入の伸び悩み、国の三位一体改革による地方財政制度の抜本的見直しなど、本市を取り巻く環境が一段と厳しさを増します中で、少子高齢化あるいは地方分権の本格化などの社会経済情勢の変化や市民ニーズの多様化、高度化への的確な対応、さらには九州新幹線の全線開通や政令市への移行など新たな政策課題が山積しているところであります。  そのような中、先ほど申し上げました現行の総合計画につきましては、施策事業が網羅的で優先順位が明確でないこと、また行政改革大綱や財政計画におきましては具体的な手法やスケジュール等が明示されていないことなど、大きな時代の変化や山積する課題に迅速に対応するために、改善すべき点があるわけでございます。  そこで、それぞれの計画の推進半ばでありますが、行財政改革への取り組みを一層強化しますとともに、施策の選択と集中を図りまして、より重点的かつ戦略的なものへと変えていくことが必要であると考えまして、今回行財政改革推進計画及びまちづくり戦略計画の策定に取り組んでいるところでございます。  今後は、この計画に上げる具体的項目につきまして、迅速かつ着実な推進を図りながら、スリムで合理的な行政体制の確立と財政健全化を実現しますとともに、その取り組みによって生じた人員、財源等の行政資源をまちづくり戦略に掲げる重点施策に積極的に投入してまいりたいと考えております。  次に、まちづくり戦略計画に対する予算配分の基本的な考え方についてお答えいたします。  今回の平成16年度当初予算は、厳しい財政環境の中ではございましたが、まちづくり戦略計画に掲げております3つのターゲットと市民協働への取り組みに対し重点的な財源の配分を行ったところでございます。  具体的には、計画実現に向けた取り組みとしまして、延べ265事業を予算化しておりまして、3つのターゲットの関係で良好な環境を未来へと引き継ぐまちには41事業、19億7,000万円、子供たちが健やかに成長するまちには94事業、220億円、人々が集う元気なまちには58事業、33億8,000万円、合わせまして193事業、273億5,000万円、さらに市民協働関係で3つのターゲットと重複する分も含めまして72事業、38億9,000万円を計上させていただいております。  また、この中で新規事業37事業、拡充事業16事業を措置しますなど、計画の初年度ではありましたが、その策定に向けた議論を踏まえまして積極的な財源の投入を行ったところでございます。  次に、今回の当初予算より取り組んでおります予算要求状況の公開についてでございますが、これは予算編成過程での透明性の向上を図るため実施したものでございます。  お尋ねの査定案をゼロ円とした事業についてでございますが、各要求項目の一つ一つにつきまして、査定段階で事業の熟度、必要性、優先度等を検討いたしまして、実施年度を先送りしたもの、事業内容や効果の再検討を要するもの、既存事業との調整を行ったものなどでございます。これらの事業につきましては、17年度以降、さらに熟度や必要性等を議論してまいりたいと考えております。  次に、ゼロベースでの事業の見直しと今後の予算編成の考え方についてお答えいたします。  平成16年度当初予算の編成に当たりましては、まちづくり戦略計画行財政改革推進計画の策定に向けた議論を踏まえつつ、すべての事業をゼロから見直すということで取り組んでまいりました。  この結果、19事業については廃止しますとともに、その他見直し、縮小した事業も数多くございました。一方で、ただいま申し上げましたまちづくり戦略計画に掲げる重点事業に積極的な対応を図ったところでございます。今後とも、事業の必要性、効率性等を毎年検証し予算編成を行ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、予算編成につきましては、今回策定いたしておりますまちづくり戦略計画行財政改革推進計画を念頭に置きまして継続して事業の見直しを行い、市民のニーズを踏まえた事業の展開を心がけてまいりたいと考えております。  続きまして、熊本市が目指す都市像についてお答え申し上げます。  これまでも申し上げてまいりましたが、清冽な地下水やあるいは豊かな緑などの自然環境、あるいは熊本城に代表されますような風格のある歴史、文化などがはぐくまれる風土、このような恵まれた環境と67万の人口を擁する利便性の高い都市機能がほどよく調和していることが、本市最大の特性であると認識しておりまして、この特性を最大限に生かしまして、人々が生きがいを持ち、安心して暮らせるまちをつくり上げていきたいと考えております。  また、今後、道州制をにらんだ議論が展開されていきます中で、九州新幹線や広域的道路網の整備が進むこと等を生かし、九州中央に位置するという地理的優位性を積極的にまちづくりに生かすことが重要であると考えております。  そこで、現在策定しておりますまちづくり戦略計画におきましても、政令指定都市への移行を視野に入れ、まちづくりの基本目標を、自然と調和した市民が主役の活気ある熊本の実現とし、これを達成するための具体的ターゲットとして、本市最大の魅力であり財産である良好な環境を未来へと引き継ぐまち、大切な宝であり活気ある熊本市の象徴である子供たちが健やかに成長するまち、九州新幹線全線開業に向けて、経済効果を最大限に波及させるために人々が集う元気なまちを掲げさせていただいたところであります。  本市が、このようなまちづくりを進めていくことによりまして、新しい産業や雇用の場の創出など活力あふれる都市づくりが実現し、ひいては熊本都市圏として、熊本県全体を牽引していけるような拠点性が高まってまいりますし、さらには九州の中心拠点都市として大きな役割をも担えるだけの力を蓄えていくことにつながっていくのではないかと考えております。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  まちづくりのビジョンで、今市長に答弁いただきましたが、わかるんです。水、熊本城、新幹線、わかるんですが、一口で言って、ああこれが熊本市たいというようなやつを僕は欲しいんです。だれもが、あっちに聞いてもこっちに聞いても、熊本城があったい、水があったい、森があったい、子供もおったい──交通のアクセスも確かに中央に位置しますけれども、果たして大変便利なところかといえば、またちょっと工夫が要っとじゃなかろうかというふうに思うんです。  だから、熊本市民65万以上の皆さんが、うん、いっちょみんなで熊本市ば政令都市に持ち上げようじゃにゃあかという、そのキャッチを、前々田尻市長は九州の雄都という言葉を使われた。三角市長からは拠点都市という言葉が使われた。したがって、熊本市をやっぱりそういう九州に広げる意味合いの都市の名前といいますか、キャッチといいますか、そういうのをぜひ募集していただくことで、熊本市民もそういう立場になりますし、議会もそういう方向に向かって走るとじゃなかろうか。そして初めて今市長がおっしゃった内容が基本となって、新しいまちができ上がっとじゃなかろうかというふうに思うんです。これは難しいのでやめますが、そういうことでぜひ市民にパブリックコメントも、市長は名人でございますので、どんどん募集していただきたいと思います。  三位一体の最後の質問に移ります。実は、職員に関する諸問題についてお尋ねいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  改革には、さきに述べましたように、大変なエネルギーを消費します。厳しい財政状況を背景に、行政サービスの見直しが不可避であることは異論のないことであります。しかし、改革で痛みを受ける市民、職員のきめ細かな配慮は当然必要なものであると考えます。市民、職員の不安を解消する説明責任と公的責任を果たす新たな施策の展開が必要ではないでしょうか。  一般に、民間企業の従業員と公務員の雇用不安の意識のずれが指摘されます。しかし、行政機関の一員として公平、公正な立場で市民生活を支える職員が、みずからの業務に責任を持って取り組むためにも、改革推進と将来の配転や雇用不安による職員への説明をどういう方法でされたのでしょうか。また、その反応はどうであったかお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行財政改革による効果と施策について、改革推進と将来の配転や雇用不安による職員への説明責任についてお答えさせていただきます。  行財政改革に伴う職員への説明についてのお尋ねでございますが、行財政改革推進計画に掲げた事業の廃止や民間委託を進めるに当たりましては、その業務に従事している職員を他の所属に再配置する場合も生じてまいりますことから、議員御指摘のように、職員の中に、自分たちはどうなるのだろうかといった不安の声があるのかと認識しております。  そのために、職員に対する説明にも資するという観点から、アウトソーシングに向けた具体的な取り組みやスケジュールなどをアウトソーシング計画として取りまとめ公表したところでございます。今後、このアウトソーシング計画を具体化する際には、職員の能力や知識、技術をできるだけ生かせるよう適材適所の人事配置を行い、職員が使命感と責任感を持ちながらその能力を発揮できるよう最大限配慮してまいりたいと考えております。  さらに、市政改革を進めるに当たりましては、先ほども申しましたが、職員一人一人が市政を取り巻く厳しい状況を認識し、市政を担う一員として使命感を持ち、市民の視点に立って改革に取り組んでいくことが必要と考えておりまして、これからも職員に対して、改革の趣旨や必要性について積極的に説明を行ってまいりたいと考えております。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  今お尋ねいたしました行政改革に関する職員との関係は、重大な事項というふうに僕は思うとります。したがいまして、アウトソーシング、確かに進めなければいけませんけど、職員の皆さんはいわば行政財産でありますので、それをぜひ情報公開も含めてですが、労働組合の皆さん方もいらっしゃいますので、きめ細かに協議を進めながら進行していただきたいというふうに思います。  ちょっと順番が逆になりますけど、さっきの都市ビジョンでございますが、大体私が言いたいというのは、ぜひ熊本市を、一発でわかるような言葉をつくっていただきたいと。そのためには、みんな広く市民から募集したらどうですかというような話でしたので、まとめれば。べらべらべらっという長い文章じゃなくて、そういうふうな形で、ぜひ市長よろしくお願いしておきます。  それでは、そういうものに関して、新幹線開業に伴います熊本駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。  九州新幹線建設事業の促進や熊本駅周辺整備については、長年この議場で論議をされてきたところでございます。その結果、新幹線の2年前倒しでの全線開業が現実のものになりつつあるなど、一定の成果があらわれていると思います。  しかしながら、熊本駅周辺の整備については、西側の区画整理は動き出したものの、東側は一向にはかどらず以前のままであります。このままの状況が続くと、駅周辺のまちづくりは失われた10年どころか、さらに10年失われると思い大変心配しています。早ければ平成23年春、7年後の新幹線の開業時、完成見通しがあるのは合同庁舎の移転、西土地区画整理、そして一部の都市計画道路であり、駅舎や駅前広場の整備や在来線の高架は新幹線開業後であります。  駅周辺の面整備の状況を見ますと、東A地区再開発事業や合同庁舎予定地区と東口駅前広場等の商業業務拠点施設、さらにはホテルニューオータニと予備校の北地区での集客拠点施設などなど、なかなか現実の目途が立ちません。古い建物が多かったり、空き地が長年放置されたままになったりでゴーストタウン化していると言っても過言ではありません。  また、駅西土地区画整理事業地区や新幹線建設事業地区につきましては、事業推進による用地買収で空き地が目立ち、これもゴーストタウン化に拍車をかけているように思います。  道路整備の状況を見ましても、田崎橋や春日陸橋の撤去により、鹿児島本線を挟んだ東西の行き来が不自由になる問題や、その迂回路となる新土河原出水線の進捗遅延問題、さらに電車通りの拡幅の問題など、課題山積といったところで、面的整備も道路整備も目に見えた進捗がなく、このままでは新幹線への期待が開業しても何もならんというあきらめに変わってしまうのではないかと心配しているのです。  思い起こせば、線路沿線の住民パワーを構築して、早期新幹線開通の県民大会開催、各企業による垂れ幕作成などなど、あのときの機運はどこにいってしまったのでしょうか。一時期の熱狂が冷めてしまったようでございます。だれの責任でしょう。新幹線は、7年後には博多−鹿児島中央間が全線開業となります。熊本経済浮揚の絶好のチャンスが目の前にあります。県も市も経済界もこれでいいのでしょうか。このままではゴーストタウンの真ん中を高架となった新幹線が格好よく走り、私どもはただただ指をくわえて見ているしかありません。  経済のストロー化現象により、熊本市内に支店を置く企業はコスト削減から博多へと会社の移転、人の移動が始まります。九州経済は福岡への一極集中が進むとともに観光客の流れは、福岡へ、鹿児島へということになり、観光面では福岡、鹿児島への二極分化となって、それこそ熊本は埋没してしまうのではないかと心配でたまりません。これでいいのでしょうか。  市長は交通対策の公約で、新幹線の開業に合わせ、熊本駅を日本一乗りかえの便利な駅にするための整備を進めます。また、市中心部とのアクセスを大幅に向上させます。さらに、まちづくり戦略の中でも熊本駅から中心部について、新しい熊本づくりの顔として、特に重点的に取り組む地域ととらえたところである。今後、現在着手している事業の効果的な推進を図るとともに、さらには日本一乗りかえの便利な駅の実現、利便性の高い都市機能の充実に向け、県、関係団体と連携して幅広く検討していくとおっしゃっておられます。私も同感でございます。  本市主導で県市協定の見直しや経済界を巻き込んだ熊本駅周辺整備の機運を、市民一丸となって高める運動に再度取り組もうではありませんか。本市の西部に位置する熊本駅は、政令都市を目指す本市にとって重要な拠点地区であり、副都心として位置づけられております。  私は、政令都市の西部地区の拠点として、熊本駅周辺の西区役所の設置を提言いたします。区役所の立地条件としては、お年寄りや子供連れのお母さんたちが電車やバスを利用して行ける交通の利便性ではないでしょうか。熊本駅であれば、おのずと人の集まる場所でもあり、合同庁舎の移転とも考え合わせると、この地は区役所の候補地として超一級であります。  東口駅前広場の正面に位置する東A地区での組合施行による市街地再開発事業は、景気低迷下での民間企業の誘致は大変厳しく、10年前の準備組合が発足当時からストップしたままでございます。  これまでの議会答弁では、市の支援策の一環として情報交流施設等の公共施設の導入構想もあったようでありますが、あくまでも民間での再開発が立ち上がることが前提となった取り組みであります。私は心配でたまりません。熊本駅周辺整備の事業達成に向け、高所からの政治判断によるギアチェンジが必要だと思います。その一つとして、この東A地区再開発事業へ本市主導の体制を築き、政令都市に向けた西区役所を主体とした情報交流施設の構想の検討をぜひお願いしたいと思います。  本市が何らかのアドバルーンを上げることで、熊本駅周辺整備の機運が一気に高まることと思います。市長の熊本駅周辺整備に関する都市基盤整備や懸案の東A地区市街地再開発構想、さらに副都心としての西区役所構想など、まちづくりに対する思いをお聞かせください。  さらに、これは要望ではございますが、本日も数名お見えでございます、駅西土地区画整理事業の進捗に合わせた安心安全なまちづくりとしての住民との対話の継続、街路灯等や一部インフラ等の整備をお願いしたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  新幹線開業に伴います熊本駅周辺のまちづくりにつきましてお答えさせていただきます。  九州新幹線は平成25年の全線開業を目指して、現在急ピッチで進められているところでありまして、国の平成16年度予算を見ましても、前年度比1.5倍の800億円とふえておりまして、また、きょうの報道でもございましたように九州新幹線の全線開通の前倒し開業がいよいよ現実のものとなりつつあるといった認識を持っているところでございます。  本市といたしましては、新幹線全線開業は経済浮揚の絶好の機会ととらえておりますので、九州新幹線の早期開業に向けた予算確保につきまして、今後とも国に対し強く働きかけを行ってまいりたいと考えております。  御質問の熊本駅周辺のまちづくりについてでありますが、2月の市議会全員協議会で御説明申し上げましたとおり、私は熊本駅周辺整備につきましては、まちづくり戦略計画の中でも重点戦略と位置づけておりまして、熊本駅西土地区画整理事業やあるいは都市計画道路など交通基盤整備を進めますとともに、東A地区市街地再開発事業や合同庁舎の移転などにより都市機能の集積を図り、県との連携を強めながら、熊本の陸の玄関口にふさわしい町並みをつくってまいりたいと考えております。  特に、駅の東側正面の東A地区市街地再開発事業につきましては組合による再開発が予定されておりますが、経済状況が低迷する中、事業化が厳しい状況にございますので、新幹線全線開業までに新たな再開発ビルができますよう、市といたしましても、例えば図書館を核とした情報交流施設の導入など積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  なお、御提案の区役所の設置についてでございますが、都市内分権を進める上におきましても、また将来の政令指定都市を視野に入れたまちづくりを進める上におきましても論議をすべき課題であると認識しておりまして、昨年10月庁内に総合事務所に関する研究会を設置したところでございます。今後、その総合事務所に対して、どのような機能を持たせるのか、あるいはどのように配置するのかなどについて検討を進め、平成18年度にも基本方針を策定したいと考えております。  したがいまして、御提案の趣旨につきましては、その研究会の中におきましても論議をしてまいりたいと考えております。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  熊本駅、これは東も西もですが、私ほとんど毎日通るわけでございますので、そのまちがどういうふうな状況になっておるかは十分知っております。私の母はそこで50数年間リアカーで花売りしておりますので、そのお袋の行く回数がどんどん減っておるということは、そこに住んでおられる居住民の皆さんが少なくなっとるということでございます。どうかもう10年間はあの熊本駅は人が集まることはなかなか厳しいかと思いますが、ぜひ熊本市の主導で早いスピードでどんどん、予算も含めてですが、力を入れていただきたいというふうに思います。  実は6回、今、市長に立っていただきました。もう市長はこれで終わりでございますので、ゆっくりしていただければ結構だろうと思います。  次は、ただ一人教育長が残っておりますので、それでは、これも熊本市全部にかかわる問題でございます。総合型地域スポーツクラブの普及方法の改善についてお尋ねしたいと思います。  議員の皆さん、総合型地域スポーツクラブという名称を御存じでしょうか。ほとんど知っておられる、いや、おれは知らんという方がいらっしゃると思いますが、実はこれは日本全国の動きでございまして、皆さんの地域で、そして校区で社会体育課の皆さんが一丸となってこの事業普及のため、説明に東奔西走されております。市民へのPRは、説明会や市政だよりの特集、別冊でも全戸配布をされています。その結果、日吉、桜木北部、長嶺、龍田のクラブが誕生して運営されています。結成に対しても、大変なエネルギーを使い、運営に対しても御苦労されていると聞いております。  私も体協長として、総合型地域スポーツクラブの推進、結成のため、いろいろな課題を掲げ苦慮しているところでございます。振り返りますとこの事業は平成12年9月、文部科学省からスポーツ振興基本計画が告示されまして、国民のだれもがそれぞれの体力や年齢、技術、興味、目的に応じて、いつでもどこでもいつまでもスポーツができる生涯スポーツ社会を実現し、成人の2人に1人は週1回以上スポーツに参加することを目標にしています。  スポーツ離れが顕著にあらわれ、子供も大人も体力が落ちております。国の施策もスポーツと健康であり、総合型地域スポーツクラブの推進であろうかと思います。総合型地域スポーツクラブはスポーツを通して健康づくりや子供たちの健全育成、さらには世代間交流など、地域のコミュニティーが広がり、明るいまちづくりの一翼を担う事業であります。  本市でも、生涯スポーツ社会の実現を目指し、すべての市民がいつでもだれでもどこでも気軽にスポーツに親しめる環境づくりとして、5地域で総合型地域スポーツクラブが結成され、その成果は出ていますが、全市域での結成機運が盛り上がっておりません。なぜでしょうか。  実は私なりに検討してみますと、再度、全市域の各種要因について調査分析していただきたいと思います。その各種要因とは、運営に必要な最低人口の確保についての調査分析、具体的に言えば、居住人口を設定し、地域性、校区状況、施設等を分析し、また全市にわたる地域設定を行い、都市部、山岳地、面積など、校区状況なども分析をしていただきまして、また、立ち上げにつきましては市民の皆さんが主体となって運営しますという方針になっておりますが、これが地域にとって大変厳しい状況であります。  実は、現況では校区体協役員とか指導員の活動は、仕事をやりくりしながら体育協会の年間活動で手いっぱいでございます。  そこで、各地域で状況は違うと思いますが、1つの案として、一定の水準に到達するまで、公民館や市民センター所属の職員さんにお手伝いしていただくとか、検討していただきたいと思います。  繰り返しますが、強い指導のもと地域実態を把握分析し、一定の基準を策定していただきたいと思います。教育長の見解をお願いいたします。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  総合型地域スポーツクラブについてのお尋ねにお答えいたします。  議員御案内のとおり、総合型地域スポーツクラブは身近な学校施設や公共のスポーツ施設を利用し、子供から高齢者まで市民だれもが日常的にスポーツ活動や健康づくりなどを行うもので、スポーツを通して青少年の健全育成や地域コミュニティーづくりを推進するものでございます。  本市といたしましても、自然と調和した市民が主役の活気ある熊本の実現を基本目標としたまちづくり戦略計画の中におきまして、子供たちが健やかに成長するまちを目指した環境づくりの中に位置づけており、この総合型地域スポーツクラブを全地域に育成するために、地域説明会の開催やスポーツクラブマネジャーの養成を行っているところでございます。  議員お尋ねの総合型スポーツクラブの普及方法の改善についてでございますが、教育委員会といたしましては、各地域に適したスポーツクラブの進め方についても調査分析しながら、地域に直接出向き、アドバイスを行うとともに、スポーツ施設の設置状況や利用状況、さらには他のスポーツクラブの運営活動状況などできる限りの情報提供に努めてまいります。  また、地域におかれましては、住民のスポーツ実施状況やスポーツニーズの調査を行っていただきながら、地域の特性を生かした活動エリア等の検討をされるなど、広く地域住民に親しまれる魅力あるスポーツクラブを育成していただきたいというふうに考えております。  教育委員会といたしましては、この総合型地域スポーツクラブの育成を人づくり、まちづくりという観点から、地域コミュニティーの拠点施設であります市民センターなど関係部局への協力はお願いしてまいりたいと思います。  さらには、スポーツクラブ設立に向けての支援として、地域からの相談に対してアドバイスのできる職員の教育委員会への配置について検討してまいりたいというふうに考えます。          〔36番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  教育長の答弁ありがとうございました。やっぱりこの問題も市の重要な課題というふうに思いますし、校区の体育協会そのものの存在も、この総合型の問題では大きく揺れるかというふうに思いますが、十分に市の指導をしながら、やっぱり両輪が転んでいくような手助けをぜひお願いしておきたいというふうに思います。  最後の要望事項は、私の一方通行での要望となりますので、また事前に各局十分打ち合わせをしていただきましたので、それに向かっての対応をよろしくお願いします。  きょうは多くの傍聴者の皆さんがこれを聞きに来たんじゃなかろうかというふうに思いますので、1つ要望事項を述べさせていただきたいというふうに思います。  地方行政は、言うまでもなく市民生活のあらゆる面にかかわりがあります。市政は揺りかごから墓場までと言われるように、我々がこの世に生をうけ、あの世に行くまで、すべての面にきめ細かくかかわり、命と財産を守り、そして市民福祉向上のための事業を担っているのであります。  地方行政は多様化する市民ニーズにこたえなくてはならない大変な時代を迎えているのです。厳しい財政事情の中で、これらのニーズにこたえるためのまちづくり戦略計画行政改革推進計画、財政健全化計画のいわゆる三位一体での市政改革はいわば時代の要請でもあります。引き続き市民のため市政改革を進め、職員一丸となって本市発展のため努力していただきたいと思います。  そして市民も私ども議員も、日常の陳情、要望はもちろんですが、ちょっと角度を変えて、市政運営の市民からの提案書とすることで、一段と市民との協働の位置づけが変わり、市民もお上にお願いすることなく、ともに汗をかき、権利と義務が醸成されると思います。  ここで、私の町内での市民協働の取り組みについて若干御紹介したいと思います。  私の町内では、独自の財源確保として、共有地、空き地を利用し、有料駐車場として住民に提供し、不法駐車ゼロ運動の展開を行っております。  また、ごみ分別の徹底で担当責任者を置き、徹底した分別でアルミ缶を収集し、周期的にリサイクル業者へ売却する活動も展開しております。  また、公民館による自動販売機の運営、町内財産を利用した広告塔の設置など、これらの事業の実施により貴重な財源が確保されております。この財源により、行政の目の届かない里道や私道の土木工事や防犯街路灯の設置など、いわば町内への還元事業を実施しております。同時に、還元事業のPRや財源確保状況等を町内に周知するとともに、町内総会で事業並びに会計報告を行っています。  私はこれこそまさに小さな町内の市民協働と自負しているところであります。自分のまちでできるものは自分のまちでする。これを基本に行政にアドバイスをいただき、それ以外を土木センターにお願いしております。組織改正後の土木センターは身近な土木センターとして住民の安心安全なまちづくりに努力していただいております。この場をおかりいたしまして感謝申し上げます。  本来なら各局に質問する予定でございましたが、事前協議もしましたし、これからの課題でもありますので、各項目ごとに述べて要望とさせていただきたいと思います。  まず、食生活や生活不安を脅かす社会事象が相次いで発生しております。鳥インフルエンザ、BSEは、生産者はもちろん、食生活のスタイルまで変えようとしております。県内のトマト生産者を打撃したトマト黄化葉巻病など外国からの新ウイルスによる事件が浸透しつつ、防疫を踏まえた生産者への徹底した指導と、市民への説明をお願いしておきたいと思います。  また、社会の安心安全を失墜する住基ネット、個人情報の大量流出事件は後を絶たず、社会の仕組みまでも脅かす大きな社会問題であります。本市の危機管理体制の強化をお願いしておきたいと思います。  また昨今、イノシシ、タヌキ、野鳥の農作物や農業構造物への被害が顕著に目立ち始め、里山を抱える地域では生活不安に陥っています。これらの諸問題に対しては、各局全力投球で法律に基づいていろいろ施策を講じられていることと思いますが、直接関係する市民は無防備であります。さらなる危機意識を持って対応をお願いしたいと思います。特にイノシシ対策など、緊急性が高い事件にもかかわらず法の網で制限され、有効な対策がとれないままであります。生産者にとって即効薬は捕獲以外はありません。備えあれば憂いなしと言いますように、借り側責任でイノシシなどの捕獲用具を、ある程度の量を本市で確保し、貸し出し制度の充実を図っていただきたいと思います。  引き続き、西部地区のまちづくり関係について要望を申し上げます。  本市は、20世紀の後半から、県庁の移転、高速道路の開通を契機に健軍を初め東部地区が飛躍的に人口増と都市化が進みました。そして社会基盤も飛躍的に充実し、今日に至っております。その間、西部地区は農業振興地帯であり、海、山に囲まれた自然豊かな環境空間が今なお漂っています。
     しかし、熊本駅周辺は取り残されたままであります。西部地区は下水道、計画道路、河川改修、公的施設などの社会基盤のおくれは一目瞭然であり、時代の変遷とはいえ、その結果、農業従事者、後継者の減少など、人口流出に拍車をかけました。  都市の繁栄サイクルは30年から50年と聞いております。新しい施策を打ち出さない限り衰退の道をたどります。新興住宅地もそうです。30年しますと高齢化が進みます。都市も全く変わりません。私どもの地域は昭和20年後半の熊本市編入から、もうはや50年以上、やっと西部地区に明かりがともり始めました。21世紀は西部地区のまちづくりこそが本市の描く政令都市新熊本市ビジョンと思います。  しかし、野口清水線、新土河原出水線を初め駅周辺から放射線状に出る計画道路も大変時間を要しています。特に熊本駅から郊外への輸送確保として、自動車専用西環状道路も始まりました。池上校区は野口清水線、河内農免道路、万日山トンネル、西環状道路へのインターチェンジと、交通アクセスの拠点地域となります。工事期間の道路は既設の狭隘道路を使用し、交通事故や犯罪増加で心配しています。居住民の心境は便利になるのか、環境が悪化するのか、夢と不安が交錯する日々でございます。しかしながら、道路こそまちづくりの基本でございます。大変厳しい財政事情と承知していますが、さらなる予算確保と進捗向上、そして交通事故や犯罪対策をお願いしたいと思います。  さらに、生活の不安解消として、水害対策であります。本市も城山高橋地区の浸水対策として排水機場が完成し、その地域は安心して生活されております。谷尾崎川の都市型排水機場の用地買収に入り、着実に見通しが見えてまいりました。しかし、完成まであと数年を要します。さらなる御努力をお願いいたします。  次に、ゆとりある生活環境の改善として必要なのが公園でございます。  昨年は駅裏池上校区南側に春日地区と池上地区合同の池上中央公園が完成いたし、市民の広場として活用されています。大変お世話になりました。緑豊かな西部地区でありますが、高橋校区、池上校区には公園としての機能の場所が少なく、人口一人当たりの公園面積の低い地域と聞いております。幾つかの公園設置の陳情もしておりますが、大変厳しいと伺っています。関係当局の御判断をよろしくお願いいたします。  特に、高橋町ちびっこ広場は存続そのものが大変厳しい状況下で、借地であるこのちびっこ広場がなくなれば校区公園ゼロ地帯となり大変心配しております。  先般、校区代表者の皆さんと市長陳情を実施しました。財政も含め、大変厳しい状況下であることは十分承知しておりますが、市長の英断をよろしくお願いします。  さらに、交通機関でございます。西部地区の旧天明、飽田、中島、小島、池上では、生活を支える公共交通の便数が昨年から激減をいたしまして生活が脅かされています。池上校区の谷尾崎地区、池上地区は中心街に最も近い不便なところでございます。県道新町小島線を走るバス以外は公共交通機関はありません。そのバスも朝夕に偏り、日常生活の買い物や通院時には利用できないように便数が激減し、再三関係箇所へ陳情活動を展開しましたが、好転する気配もありません。むしろ昨今の協議会情報では、バス廃止路線で検討されていると聞いて驚いています。  民間バス会社が採算ベースでの弱者切り捨てを実施するならば、本格的に市営バス運行も前提に、市民のための交通機関の検討に入っていただきたいと思います。西部地区のこれらの地区は公共交通は生活の足であります。さらにこの地区は、高齢化が進み、さくらカードの交付者は多いのですが、交通機関がなくバス利用が極めてできないところであります。市民サービスの矛盾を感じます。  最後の要望です。登壇ごとにお願いしております池上町平の国指定池辺寺跡についてでございます。9世紀時代の山岳信仰の貴重な跡として国指定され、用地買収も拡大され、今日も発掘調査が継続されています。一歩一歩1,300年前の貴重な資料が発掘されています。今後もさらなる貴重な史跡として事業の継続をお願いいたします。  たくさんの要望事項となりましたが、ほとんど建設委員会も含めた私のところでございますので、西部地区の課題もたくさんございます。この後は都度各局で詰めていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  今日の質問の9割以上が幸山市長でございました。大変お疲れだったというふうに思います。本当にありがとうございました。まだ30代でございますので、びゃんびゃんお願いしたいと思います。  いろいろなことを私もきょうは述べさせていただきました。新しい会派に所属いたしまして、何か知らんけど代表でしゃべれということになりまして、きょうは政策、本市への要望、そして一番大事な市政改革、こういう項目を中心につくらせていただきました。またこの次はいつ登壇するかわかりませんが、今後とも議員の皆様よろしくお願いしたいと思います。  また、傍聴の皆さんにつきましては、本当に足元の悪い中にここまでおいでいただきました。こぎゃんいっぱい来なはるとは思いませんでしたので、本当にありがとうございました。今お聞きのとおりでございます。答弁はございませんでしたが、今の要望はちゃんと市長にお届けいたしまして、西部地区の発展に寄与したいと思います。  それでは皆さん、長時間にわたり本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○竹原孝昭 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明12日から3月14日まで3日間は、議事の都合並びに休日のために休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○竹原孝昭 副議長  御異議なしと認めます。  よって、明12日から3月14日まで3日間は休会することに決定いたしました。  次会は3月15日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○竹原孝昭 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 3時43分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成16年3月11日 出席議員 52名       1番   落 水 清 弘        2番   竹 原 孝 昭       3番   澤 田 昌 作        4番   高 島 和 男       5番   大 石 浩 文        6番   倉 重   徹       7番   白河部 貞 志        8番   田 尻 善 裕       9番   廣 瀬 賜 代       10番   有 馬 純 夫      11番   満 永 寿 博       12番   三 島 良 之      13番   齊 藤   聰       14番   津 田 征士郎      15番   鷲 山 法 雲       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   村 上   博      19番   日和田 よしこ       20番   藤 岡 照 代      21番   坂 田 誠 二       22番   藤 山 英 美      23番   田 中 誠 一       24番   下 川   寛      25番   重 松 孝 文       26番   東   すみよ      27番   中 松 健 児       28番   佐々木 俊 和      29番   田 辺 正 信       30番   鈴 木   弘      31番   牛 嶋   弘       32番   古 川 泰 三      33番   税 所 史 熙       34番   北 口 和 皇      35番   田 尻 清 輝       36番   田 尻 将 博      37番   大 江 政 久       38番   家 入 安 弘      39番   上 村 恵 一       40番   島 田 俊 六      41番   江 藤 正 行       43番   荒 木 哲 美      44番   主 海 偉佐雄       45番   嶋 田 幾 雄      46番   紫 垣 正 良       47番   島 永 慶 孝      48番   矢 野 昭 三       49番   鈴 木 昌 彦      50番   宮 原 政 一       51番   益 田 牧 子      52番   磯 道 文 徳       53番   西   泰 史 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      福 島 靖 正   収入役職務代理者 原   守 保    総務局長     古 川   康   企画財政局長   三 嶋 輝 男    市民生活局長   中 山 通 晴   健康福祉局長   田 中 亮 子    環境保全局長   大 橋 道 雄   経済振興局長   西 山 哲 雄    都市整備局長   中 原 謙 吉   建設局長     岡 本 安 博    消防局長     高 田 勝 利   交通事業管理者  川 上 憲 司    水道事業管理者  源   寧 生   教育委員会委員長 笠   美 雄    教育長      永 山   博   人事委員会事務局長柳 川 彰 也    代表監査委員   宮 川 洸 洋   市長室長     石 田 賢 一    財務部長     寺 本 敬 司 職務のため出席した事務局職員   事務局長     友 枝 佑 二    事務局次長    松 本   豊   議事課長     山 田 利 博    議事課長補佐   木 村 建 仁...